福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

地獄にも極楽がある。

2016-08-26 | 法話
この世は地獄です。東日本大震災の有様を見るだけでもこの世は地獄というほかありません。われわれの日々の我利我利亡者の暮らしぶりも地獄そのものともいえましょう。自分自身の最近の心の状態を見ても地獄とおもうことがあります。弱肉強食の世界を思うにつけてもまさにこの世は地獄です。しかし一方ではえもいわれぬありがたい世界があることも体験してきました。

摩訶止観五に「夫一心具 十法界。一法界又具十法界百法界。一界 具三十種世間。百法界即具三千種世間。此三千在一念心。」とあります。摩訶止観では心の中に地獄から極楽まですべての世界があると云っているのです。
これについて昨年のブログの中の「金山穆韶師の「仏教における個体の観念」・・・18」
「即ち一念心に三千を具すとは、一心に十法界を具す、この一心に具するところの十法界の、一界ごとにまた十法界を具すれば百法界なり、此の百法界各々に相、性、体、力、作、因、縁、果、報、本末究境の十如を配すれば、相乗して千如となる、この千如是に衆生世間、國土世間、五陰世間の三種世間を具すれば三千世間となる。此の三千に一切法を摂し尽くし、而も此の三千の諸法全く行者の一念心なりと観ずるを、一念三千の法門とす。」と書いてあります。

まさに華厳経で言う如く宇宙は一微塵のなかに世界を含み重々無尽につながっていることを思えば地獄も極楽もそれぞれ分断されて存在しているのではなくまさに相互に入りこんでいる構造になっていると云うことでしょう。楽あれば苦あり。苦あれば楽ありということですか。
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