福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

仏教聖典(仏教伝道協会)から・・・その14

2011-08-06 | 法話
因縁

第一節 四聖諦

一、この人間世界は苦しみに満ちている。生も苦しみであり、老いも病も死も苦しみである。怨みあるものと会わねばならないことも、愛する者と別れなければならないことも、また求めて得られないことも苦しみである。まことに執着を離れない人生はすべて苦しみである。これを苦諦という。

この苦しみがどうしておこるかというと、それは人間の心につきまとう煩悩から起こることは疑いない。その煩悩をつきつめていけば、うまれつきそなわっている激しい欲望に根ざしていることがわかる。このような欲望は生にたいする激しい執着を元としていて、見るものと聞くものを欲しがる欲望となる。また転じて死をさえ願うようにもなる。これを苦しみの原因(集諦)という。

この煩悩の根本を残りなく滅ぼしつくし、すべての執着を離れれば人間の苦しみもなくなる。これを苦しみを滅ぼす真理(滅諦)という。

この苦しみを滅ぼしつくした境地に入るには、八つの正しい道(八正道)を修めなければならない。八つの正しい道というのは正しい見解、正しい思い、正しい言葉、正しい行い、正しい生活、正しい努力、正しい記憶、正しい心の統一である。これらの八つは欲望を滅ぼすための正しい道の真理(道諦)と言われる。

これらの真理を人はしっかりと身につけなければならない。というのはこの世は苦しみに満ちていて、この苦しみから逃れようとするものは誰でも煩悩を断ち切らなければならないからである。煩悩と苦しみのなくなった境地は、さとりによってのみ到達しうる。さとりはこの八つの正しい道によってのみ達しえられる。
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