福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

正法眼蔵「愛語」

2013-02-07 | 法話
愛語といふは、衆生をみるにまづ慈愛の心をおこし、顧愛の言語をほどこすなり。おほよそ暴悪の言語なきなり。世俗には安否をとふ礼儀あり、仏道には珍重のことばあり、不審の孝行あり。慈念衆生、猶如赤子のおもひをたくはへて言語するは愛語なり。

 徳あるはほむべし、徳なきはあはれむべし。愛語をこのむよりは、やうやく愛語を増長するなり。しかあれば、ひごろしられずみえざる愛語も現前するなり。現在の身命の存せらんあひだ、このんで愛語すべし。世世生生にも不退転ならん。

 怨敵を降伏し、君子を和睦ならしむること、愛語を根本とするなり。むかひて愛語をきくは、肝に銘じ、魂に銘ず。しるべし、愛語は愛心よりおこる、愛心は慈心を種子とせり。愛語よく廻天のちからあることを学すべきなり、ただ能を賞するのみにあらず。


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