福聚講

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仏教大原理(釈雲照)より・・その11

2022-09-11 | 法話

この因果の理法はもとより単純ではない。過去現在未来三世に亘りて互いに因となり果となって十方に遍じて互いに因縁となり重踏錯綜して必ずしも現世において悉くその原因結果の賞罰を期すべきものではない。これは植物の例を見てもわかる。わずか数日で果実を結ぶものもあるが一年後二年後さらに十数年後に果をむすぶものもある

業にもこのように「三世四業」「因果四報」の種類がある。

「三世四業」には 順現業・順次業・順後業・順不定業がある。
・順現業とは、現世に善悪業因をなして現世にその賞罰を受けるもの。
・順次業とは、現世に善悪業因をなして次の世にその賞罰を受けるもの。
・順後業とは、現世に善悪業因をなして三回目以降の世にその賞罰を受けるもの。
・順不定業とは、つよい善悪を造ってないため、報いを受ける時期が定まっていないもの。


「因果四報(結果の出方の四種類)」には
・華報といい、現世に賞罰を受けきり、余報を残さないもの。
・果報といい、重い善悪の業を造ったため、現世には軽い賞罰を受けて後世、後後世に残りの重い賞罰を受けるもの。
・等流果といい、善因から生じた善果、悪因から生じた悪果のように、因と同じ性質(等しき流類)の結果 のでるもの。前世に於いて学を修め知力を研ぎしものは生まれながらにして千万人に優れて能才発明なるべく、若し前世に於いて大酒好色なるものは生まれながらにして大酒好色なるべし。
・増上果、これは結果に対して力を与えて強くする因の力によって生じた果という意。すなわち業の強い余勢によって現われた結果のこと。前世に強き善業をつくれるものはその身体に好結果を得るのみならず、なすところ万事福慶ならざるということなし。桃李等の植物を植えれば果実を多く結び、邸宅を建てれば邸宅堅固にして火事等の災害なく、国土を宰領すれば国土豊饒にして百穀成熟し、山林を購入すれば樹林繁茂し、衣服を裁製すれば染色光沢あるがごとし。悪業の増上果はこれに反し、戦乱の後は必ず飢饉あるがごとし。

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