これらの問題意識が、生き物の命を断つことからではなく、「生態系」からの問題提起というのは隔靴掻痒の感もありますが、いずれにせよ素晴らしい傾向です。
不殺生は十善戒の最初に出てくるもっとも基本の戒です。
肉食の禁止は多くの経典に説かれています。大乗経典ではすべての食肉が禁止されています。
・涅槃経巻18に「或いはいわく一切(肉食を)聴さず」
・梵網経四十九軽戒に「仏子、いたずらに肉を食ふに一切の肉は食ふを得ざれ。大慈悲の性の種を断ずるが故に。一切衆生見て捨て去る。このゆえに一切菩薩は一切衆生肉を食すを得べからず。肉を食するは無量罪を得る。もしいたずらに食する者は軽垢罪を得る」
・入楞伽経食肉品「大慧菩薩摩訶薩は仏にもうしてもうさく、『世尊よ、我世間を観ずるに生死流転し怨結相連なり諸悪道随ふは皆食肉に依る。更に相殺害せば貪瞋を増長し、出離を得ず。甚だ大苦となす。世尊よ、食肉の人は大慈悲を断ず。・・』」