福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

大師号下賜1100年記念

2020-10-07 | おすすめ情報

令和2年10月17日~10月27日; 10月17日(土)9:00~ 大師号下賜1100年記念開白法会(奥之院・燈籠堂) があります。また「大師号下賜1100年記念 御宝号念誦 御写経」用紙も用意されているようです。

 

延喜21年(921)10月27日、東寺長者観賢の奏上により、醍醐天皇から「弘法大師」の諡号が贈られています(注1)。「弘法」という言葉は大師が久米寺大塔のもとで善無畏三蔵が埋蔵しておいてと伝えられる大日経を感得されたときに「小国片域大機未だ熟せず、仍て此法を此地に止めて、まさに機を待ち時を待たんとす。来葉必ず弘法利生の菩薩来りて、この教を世に恢むべし」という善無畏三蔵懸記の文があったという「久米流記」によっています。

この大師号を勅使平惟助朝臣が高野の御廟の階の前で諷読したとき、前に大師が影向されたと伝わります。(注2

注1)日本紀略の後編一に「・・廿七日已卯,敕諡故大臣僧正-空海,曰-弘法大師.依權大僧都-觀賢上奏也.令齎敕書於少納言-平-惟扶,發遣干紀伊國金剛峰寺.」とあります。

また、 扶桑略記の延曆二十一年十月には、この時の詔勅を出しています。「勅。琴絃旣絕、遺音更淸。蘭叢雖凋、餘香猶播。故贈大僧正法印大和尙位空海、鎖弃煩惱、抛却驕貪、全三十七品之修行、斷九十六種邪見。受密語者、滿於山林、習眞趣者、成於淵藪。況太上法皇、久味其道、追念其人。誠雖浮天之波濤、何忘積石之源本。宜加崇餝之諡、號弘法大師。」(勅す。琴絃きんげん旣すでに絕たえ、遺音いいん更さらに淸きよし。蘭叢らんそう凋しぼむと雖いえども、餘香よこう猶なほ播しく。故こ贈ぞう大僧正だいそうじょう法印ほういん大和尙位だいわじょうい空海くうかい、煩惱ぼんのうを鎖弃しょうきし、驕貪きょうどんを抛却ほうきゃくして、三十七品ほんの修行しゅぎょうを全まっとうし、九十六種しゅの邪見じゃけんを斷たつ。密語みつごを受うくる者もの、山林さんりんに滿みち、眞趣しんしゅを習ならふ者もの、淵藪えんそうを成なす。況いわんや太上だじょう法皇ほうおう久ひさしく其その道みちを味あじわひ、其その人ひとを追念ついねんす。誠まことに天てんに浮うかぶの波濤はとうと雖いえども、何なんぞ石いしを積つむの源本げんぽんを忘わすれん。宜よろしく崇餝すうしょくの諡おくりなを加くわへ、弘法こうぼう大師だいしと號ごうすべし。延曆二十一年十月 扶桑略記)とあります。

なお大師号奏上時には醍醐天皇の夢枕で大師が「高野山結ぶ庵に袖朽ちて苔の下にぞ有明の月」と詠まれたことは多くの大師伝に載っています。

 

注2)真言宗大徳列伝等

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