修瑜伽 者用心ー大御室(性信入道親王)作
一、寝てもさめても菩提心を忘れるべからず。
二、行法の間は他意を交えず、すべて三密相応をもってすべし。あるいは緩急、あるいは多少、生得の機根によりそのときの信心に従って行ずべし。強いて一隅に執すべからず。ただ悉地成就、頓生菩提を以って所詮とすべし。、四種ならびに鈎召などの法はもしくは自のため、もしくは他の為に行ずる時、ことに菩提心、根本の体を忘るべからず。
三、木像、画像などの佛に向かってことに生身の思いをなすべし。これ真実なるが故に。昼夜の持佛に有らずといえども、伝授をうけし尊法においては練習のために日々に順次に一両尊を次第に行ずべし。およそ諸尊の形像を忘却せしむべからず。
四、佛、菩薩とも阿闍梨の教えに任せて、本流の習いを守り、しかるべき尊容の内、薫習を積むべし。つとめて異尊異形を修することを好むなかれ。常に異様の形相をもって秘尊とし、今案の邪義をもって深秘とおもうの類、これ多し。すこぶる法滅の基なり。よくよく用心すべし。
五、法会の座において堅く雑言を禁ずべし。信心もし発せざるといえどもすべからく外儀をつくろうべし。
六、読経の時の外にも文の意を思惟すべし。
七、行法念誦の隙なりといえども、手や口を不浄ならしむなかれ。
八、常に結縁、伝法ならびに修法などの儀を聴聞すべし。
九、寺院興隆のためには身を捨てて励まさんと思い、佛法弘通のためには命をまっとうして伝えんとおもえ。
十、道具、本尊ならびに祖師の遺物などことに守り執して、紛失すべからず。
十一、殊に大師の恩徳を思うべし。
十二、小事といえども師の意に違うべからず。
十三、師に対し、真実に親昵の思いを生じ、従い、給仕すべし。
十四、師の命を持たずして深法を望むべからず。
十五、つとめて未伝の書籍を開き読むことなかれ。
十六、法器の弟子たるものは、顧眄扶持の思いあるべし。末代相伝のきは見ることしばらくまれなるがゆえに。
十七、本尊聖教など小破のときは早く修複を加うべし。
(続)
一、寝てもさめても菩提心を忘れるべからず。
二、行法の間は他意を交えず、すべて三密相応をもってすべし。あるいは緩急、あるいは多少、生得の機根によりそのときの信心に従って行ずべし。強いて一隅に執すべからず。ただ悉地成就、頓生菩提を以って所詮とすべし。、四種ならびに鈎召などの法はもしくは自のため、もしくは他の為に行ずる時、ことに菩提心、根本の体を忘るべからず。
三、木像、画像などの佛に向かってことに生身の思いをなすべし。これ真実なるが故に。昼夜の持佛に有らずといえども、伝授をうけし尊法においては練習のために日々に順次に一両尊を次第に行ずべし。およそ諸尊の形像を忘却せしむべからず。
四、佛、菩薩とも阿闍梨の教えに任せて、本流の習いを守り、しかるべき尊容の内、薫習を積むべし。つとめて異尊異形を修することを好むなかれ。常に異様の形相をもって秘尊とし、今案の邪義をもって深秘とおもうの類、これ多し。すこぶる法滅の基なり。よくよく用心すべし。
五、法会の座において堅く雑言を禁ずべし。信心もし発せざるといえどもすべからく外儀をつくろうべし。
六、読経の時の外にも文の意を思惟すべし。
七、行法念誦の隙なりといえども、手や口を不浄ならしむなかれ。
八、常に結縁、伝法ならびに修法などの儀を聴聞すべし。
九、寺院興隆のためには身を捨てて励まさんと思い、佛法弘通のためには命をまっとうして伝えんとおもえ。
十、道具、本尊ならびに祖師の遺物などことに守り執して、紛失すべからず。
十一、殊に大師の恩徳を思うべし。
十二、小事といえども師の意に違うべからず。
十三、師に対し、真実に親昵の思いを生じ、従い、給仕すべし。
十四、師の命を持たずして深法を望むべからず。
十五、つとめて未伝の書籍を開き読むことなかれ。
十六、法器の弟子たるものは、顧眄扶持の思いあるべし。末代相伝のきは見ることしばらくまれなるがゆえに。
十七、本尊聖教など小破のときは早く修複を加うべし。
(続)