真言教誠義 密門沙門周海
貧道東関の邊鄙を遊歴するに多く真言新義の宗有りて菩提寺たり。しかるに其の住僧、その檀家の善男善女人へ
・三蜜の法の現当二世の無辺の利益あること、
・真言の教は他宗の教にすぐれて即身成仏の引導のこと、
・真言宗の檀那は深く高祖弘法大師の御恩徳を蒙ること、
・人間一生涯の間の大切は命終の一期に有れば兼ねて彼の一期の用心に一切の衆生を救わんがために菩提心をおこして一切の衆生に代わりて一切衆生の罪業を懺悔し,光明真言等を唱えて、決定往生の善根を積むべきこと、
・また真言宗の教えの阿弥陀と極楽とは他宗の教えとは各別なること等
のことをば兼ねて教へ示さざるゆえに、他宗の談義等を聴聞して専らとなふべき光明真言等をば次として金を打ち、太鼓を打って称名念仏を肝要とし、西方極楽往生をねがふこと、これ教誨せざるの過失なり。このゆえにいま真言宗の檀越の善男子善女人のために、略して三門を立てもって真言の教意を示さん。一には一切衆生即身成仏のこと、二には阿弥陀仏のこと、三には一期の大要のことなり。(続)
貧道東関の邊鄙を遊歴するに多く真言新義の宗有りて菩提寺たり。しかるに其の住僧、その檀家の善男善女人へ
・三蜜の法の現当二世の無辺の利益あること、
・真言の教は他宗の教にすぐれて即身成仏の引導のこと、
・真言宗の檀那は深く高祖弘法大師の御恩徳を蒙ること、
・人間一生涯の間の大切は命終の一期に有れば兼ねて彼の一期の用心に一切の衆生を救わんがために菩提心をおこして一切の衆生に代わりて一切衆生の罪業を懺悔し,光明真言等を唱えて、決定往生の善根を積むべきこと、
・また真言宗の教えの阿弥陀と極楽とは他宗の教えとは各別なること等
のことをば兼ねて教へ示さざるゆえに、他宗の談義等を聴聞して専らとなふべき光明真言等をば次として金を打ち、太鼓を打って称名念仏を肝要とし、西方極楽往生をねがふこと、これ教誨せざるの過失なり。このゆえにいま真言宗の檀越の善男子善女人のために、略して三門を立てもって真言の教意を示さん。一には一切衆生即身成仏のこと、二には阿弥陀仏のこと、三には一期の大要のことなり。(続)