福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

地蔵菩薩三国霊験記 8/14巻の2/13

2024-09-13 | 先祖供養

 

 

地蔵菩薩三国霊験記 8/14巻の2/13

二、弥陀地蔵観音別名一躰の事

伊勢の國都留賀郡の津と云所に住ける法師あり。天性愚鈍にして教の便もなかりける。佛力をたのみ奉り稱名の力を以て已身成佛の益にあずからんと思立ちて阿弥陀は四十八願こまやかに一念滅罪の利益真實すぐれ玉へり。観音は三十三身の一一分身利益をほどこし、地蔵四十九變の應作にて(仏説延命地蔵菩薩経「延命菩薩は或は佛身を現し或は菩薩身を現し或は辟支佛身を現し或は聲聞身を現し 或は梵王身を現し或は帝釈身を現し或は閻魔王身を現し或は毘沙門身を現し或は日月身を現し或は五星身を現し或は七星身を現し或は九星身を現し或は轉輪聖王身を現し或は諸小王身を現し或は長者身を現し或は居士身を現し或は宰官身を現し或は婦女身を現し 或は比丘比丘尼優婆塞優婆夷身を現し或は天龍夜叉人等身を現し 或は醫王身を現し或は薬草身を現し或は商人身を現し或は農人身を現し或は象王身を現し或は師子王身を現し或は牛王身を現し或は馬形身を現し或は大地形を表し或は山王形を現し或は大海形を現す。三界のあらゆる四生五形は變ぜざるところなし。」)今世後世能く引導し玉ふ何をやたのみ奉らんと思ひ煩ひて修行すでに退轉し諸國流浪の身となんぬ。然して後武蔵の國秩父山に深く立ち入り窟に「こもりて居たりしに二三日も過ければ食相さらになし。今は最後と思ひ口に任せて或は彌陀を念じ又観音の宝号をとなへ或は地蔵の名号を唱へ奉り一心安き事なし。身心轉倒しけれども助くべき人もなし。されどもつゆのいのち消もうせずして時至を今や今やと待ち居て口に名号を唱へけるに先ず彌陀を念ずれば観音現じ観音を念ずれば地蔵影向し、地蔵を念ずれば阿弥陀現前し玉ふ。されば唱へ奉る佛は現じ玉はず別体みへさせ玉ふやらん。日夜の惑、此にありと思ひける処に一人の老僧の杖をつき前にありける。石上に腰をやすめて向ひ居玉へり。さしも常人にてなかりければ志のをもむきはじめをわりをつぶさに語りける。老僧云く、諸法は心をもて範とす。彌陀観音地蔵は別名一躰の佛にて不二の應作なり。しばらく地蔵を念じけるに彌陀出現し玉ふこそ尤なれ。悲願はなはだ深し。佛は皆妙観察智よりいでたまひき。衆生隨願の益をほどこし暫く塵世に交じり玉ふは應身也。されば經に曰、地蔵菩薩彌陀一躰遍照十方利益衆生と唱へ終わりかきけすごとくなり玉ふ。其の後彼の法師一實不二の旨明かにして再び人間にいでずして彌よ深山に入りぬ。彼の老翁とみへしは正しく地蔵の化現なり。迷黨を引て本覚常住の域に入らしめん為一文を挙げて愚昧の闇室を照らし玉ふ者乎。抑々地蔵を念じ奉るに彌陀の出現し玉ふは密家の心をもて申さば凢そ佛に三種の法式を具足し玉へり。所謂一は種子、二は三昧耶形、三は尊形、是也。仍って諸佛のちかひもあらはれ玉ひ諸尊の御皃(相貌)も現じ玉ふ。されば地蔵菩薩の種子い字か字(共に梵字)此の字をもて種字とし三摩耶形として僧の形を現じ玉ふ。是を尊形とは申すなり。凢そ種字と申すは佛の内証にして言語道断真実無為の全躰なり。然るに弥陀の種字は地蔵の根本のか字(梵字)に半躰のう字(梵字)をつけ又地蔵のい点(梵字)をかけて次に句点をもてこれを加へきりく字(梵字)を成就せり。是を以て釈せば地蔵のか字門より出て伊字門に入り阿弥陀如来のきりく字(梵字)を現じ給ふ者なり。然れば弥陀の内証はたしかに地蔵なりと釈文に侍りき。又観音は頂上には彌陀をいただき玉へり。又僧と化して或は伊賀房或は伊予房或は甲斐なんどと名のり玉へり。地蔵は彌陀の真実の内証の佛にてましますなり。

引証。延命經に云、延命菩薩或は佛身を現じ或は菩薩身を現じ等云々(仏説延命地蔵菩薩経「延命菩薩は或は佛身を現し或は菩薩身を現し或は辟支佛身を現し或は聲聞身を現し 或は梵王身を現し或は帝釈身を現し或は閻魔王身を現し或は毘沙門身を現し或は日月身を現し或は五星身を現し或は七星身を現し或は九星身を現し或は轉輪聖王身を現し或は諸小王身を現し或は長者身を現し或は居士身を現し或は宰官身を現し或は婦女身を現し 或は比丘比丘尼優婆塞優婆夷身を現し或は天龍夜叉人等身を現し 或は醫王身を現し或は薬草身を現し或は商人身を現し或は農人身を現し或は象王身を現し或は師子王身を現し或は牛王身を現し或は馬形身を現し或は大地形を表し或は山王形を現し或は大海形を現す。三界のあらゆる四生五形は變ぜざるところなし」)

 

 

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