今日は西田幾多郎の命日です。
西田 幾多郎は 1945年(昭和20年)6月7日に75歳で鎌倉姥ケ谷の自宅で、尿毒症により死亡。北鎌倉の東慶寺に墓地があります。
以前知人の墓参りに行ったとき東慶寺の知人墓地の近くにこじんまりと西田の五輪塔の墓がありびっくりしたことを覚えています。此の墓を見て改めて、西田の苦労、肉親(姉・弟・娘2人・長男)の死、父の破産、一度目の妻との離縁などを思い出し悲劇の哲学者であったことの思いを新たにしました。
『善の研究』は有名ですが途中で投げ出してしまいよくわかりません。しかし青空文庫でもでている「世界新秩序の原理」はうなずく所が多い著です。
「世界新秩序の原理(昭和18年・西田幾多郎)」「・・今日の世界は、私は世界的自覚の時代と考える。各国家は各自世界的使命を自覚することによって一つの世界史的世界即ち世界的世界を構成せなければならない。これが今日の歴史的課題である。・・・科学、技術、経済の発達の結果、今日、各国家民族が緊密なる一つの世界的空間に入ったのである。之を解決する途は、各自が世界史的使命を自覚して、各自が何処までも自己に即しながら而も自己を越えて、一つの世界的世界を構成するの外にない。・・・世界的世界形成の原理と云うのは各国家民族の独自性を否定することではない、正にその逆である。世界と云えば、人は今尚十八世紀的に抽象的一般的世界を考えて居るのである。私の世界的世界形成と云うのは、各国家各民族がそれぞれの歴史的地盤に於て何処までも世界史的使命を果すことによって、即ちそれぞれの歴史的生命に生きることによって、世界が具体的に一となるのである、即ち世界的世界となるのである。世界が具体的に一となると云うことは各国家民族が何処までもそれぞれの歴史的生命に生きることでなければならない。恰も有機体に於ての様に、全体が一となることは各自が各自自身となることであり、各自が各自自身となることは全体が一となることである。私の世界と云うのは、個性的統一を有ったものを云うのである。世界的世界形成の原理とは、万邦各その所を得せしめると云うに外ならない。・・神皇正統記が大日本者神国なり、異朝には其たぐいなしという我国の国体には、絶対の歴史的世界性が含まれて居るのである。我皇室が万世一系として永遠の過去から永遠の未来へと云うことは、単に直線的と云うことではなく、永遠の今として、何処までも我々の始であり終であると云うことでなければならない。天地の始は今日を始とするという理も、そこから出て来るのである。慈遍は神代在今、莫謂往昔とも云う(旧事本紀玄義)。日本精神の真髄は、何処までも超越的なるものが内在的、内在的なるものが超越的と云うことにあるのである。・・」
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