この本は日本のポップスが好きであれば絶対に読まないといけない。
村井邦彦さんが居なかったら日本のミュージックシーンはこれほど素晴らしくはならなかった。
村井さんが日本の音楽界の何割かを作ったと言って良い。
前半は日経新聞に掲載された村井さんの歴史でもある私の履歴書からで、後半は書き下ろし。
「翼をください」やGS、歌謡曲でもシティーポップ系の音楽をたくさん作曲し、若くしてアルファレコードを設立し、
高校生だった荒井由実を見出してアルファレコードで録音、デビューさせ、マイ・ウェイの原曲を輸入したり、
細野晴臣をエンジニアに見出し、カシオペアやYMOを世界的にヒットさせたり、パリでの生活とミシェル・ルグランとの出会い、
A&Mとの提携、山下達郎との仕事、もう書いたらキリが無い。
こんなにあらゆる人と出会い、コラボし、友人になった人もなかなか居ない。
人間力のすごさにあきれるほどだ。
暁星小学校から暁星高校まで学び、慶應義塾へ。なぜ慶応かと言えば、ライト・ミュージック・ソサエティでジャズを
やりたかったから。
もう幼少期から東京のお金持ちの家に育ち、暁星に行き、音楽を習い、暁星のすごいぼんぼんと交流し、
高校ではキャンティに入り浸ってミュージシャンと知り合って、慶応ボーイそのものにあり、
レコード屋さんからスタートして、音楽出版社、売れっ子作曲家、アルファレコード設立、
梁瀬次郎との出会いとヤナセグループ参画、YMOでの世界での大成功・・・
もう天才なんであるが、天才は高校生ぐらいで発芽しなければならない典型でもあり。
やはり東京都心の裕福な家庭で無ければチャンスも無い気もする。
今や世界の中でシティーポップが大流行しているが、その多くに村井さんの関わった曲や
ミュージシャンが居るのだ。
おまけに村井さんは元気にご存命。
なんか、すごい本だった。読むべし。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます