ネットワークオーディオが徐々に盛り上がってきた。
最初はやはりハイエンドから始まって、少しずつ下界に下りてきた。
『オーディオアクセサリー』誌で有名な音元出版社から臨時号として出されていた
「ネットオーディオ誌」も季刊として定期化されたぐらいだ。
実は私のブログでの検索ワードの1位がこの1年ぐらいはずっと「ネットワークオーディオ」なのである。
カメラでも車でも子供でもなく、「ネットワークオーディオ」がダントツに1位だ。
それぐらい実は密かに盛り上がっているのだ。
新しいオーディオのあり方なので、趣味的に盛り上がるのは当然有り得るのだが、
正直なところ、音質はどうなのか?
その1点だけは確認する必要があるのだ。
果たして神の降臨か、邪道か????
友人宅で確認してきたので、ご報告である。
今回は大学時代のクラス会兼会社の同期会。
と書くとなんだか変だが、実は大学のクラスメイトの4人までが
偶然にも同じ会社で働いていたのだ。
それも大きな会社ではない。
VC業界では大きい会社だが、100名~300名規模の会社だ。
うちの女房も同じ会社だったので、今回は子供も含めて同行。
朝から次男のサッカーの試合があり、荷物の運搬のために車を出したので、
試合後、そのまま区内の友人宅へ伺った。
食事をしながら、半分は世間話チーム、半分はネットワークオーディオチーム。
うかがった彼のイニシャルは私とまったく同じHHだ。
HH氏の奥さんも同じ会社の仲間。
クラスで優秀だった会計士のY君は我々の会社でコンサルしてくれてた人でもあり、
D君は息子さんが我々と同じ大学に入学している。
M君は横浜市内で農業をしているのだが、広大な敷地からすれば、最も金持ちなのかもしれない。
東急沿線で農業というのは、もはや垂涎か奇跡か。
LINN AKURATE DS(定価¥997,500)
LINN KLIMAX KONTROL(定価¥1,785,000)
でも心配無く。
国産なら数万円から始められるし、LINNは中古も出回っている。
(ネットワークオーディオを推進したのはLINNと言っても過言ではない。
CDプレーヤーで有名だったLINNがそのCDプレーヤーをやめたぐらいなのだ。)
今回は3種類の比較。
まずはCDそのもの。そしてネットワークオーディオ、最後に高品質なダウンロード音源。
結論から言えば、3種類ともまったく違う音なのだ。
それは驚くほど違う。
特に192Khz,24ビットでダウンロードしたハイレゾ音源は、もう異質。
しかし、LINNは美しいね。
見るだけでも癒される。
筐体がアルミの削りだしだったりするのだ。
金属削りだしフェチの私にはたまらない。
想像するとおり、CDの音はじゃじゃ馬的で、ワイルド。
音がブワッと膨らんだ感じで、ノイズが多いし、ガチャガチャしている。
低音に締りがないので、落ち着かない。(あくまでLINNと比較してだが。)
でも、ハードロック系では悪いとも言えない。
音がプッシュされてくる感じだ。
対するネットワークオーディオはとにかくクリアの一言。
特に低音が締まっているので、軽快だ。
広がりも素敵。
ピアノは研ぎ澄まされるし、シンバルの音がCDとはまったく違う。
ジャズのトップシンバルのレガートを聴けばもっとも違いが判る。
カツカツ、コツコツした音色がくっきりと表現されている。
ECMを持参したのだが、やはり北欧の澄んだ空気感には最上の組み合わせとなる。
北欧系の現代のジャズは絶対にネットワークオーディオで聴くべきなんだろう。
さて、192Khz、24ビットのダウンロードハイレゾ音源はちょっと驚く。
まず、今までのCDからの丁寧なリッピングをしたものとも別もの。
ジャズの女性ボーカルで比較したが、まるで別人が歌っているかと思ってしまった。
それはM君も同様で、思わず二人で顔を見合わせてしまったぐらいだ。
どちらが良いというのは判らない。
しかし、ダウンロードした音源はボーカルが完全に楽器から浮かび上がって、
目の前でライブ演奏しているようなのだ。
音質的にはドライで、ボーカリストは楽器隊と離れて歌っているように思える。
リッピングしたものは比較すればウェットで、楽器隊とボーカリストが一体となっている。
これを分離と言うのかどうかはわからないが、
ジャンルで得手不得手があるのかもしれない。
大まかに結論すれば、
CD→ハードロック、パンク、メタル系の音の固まりとパッションが重要な音源。
ネットワークオーディオ→クリアで締まっていて、上品に聞きたい音源。全般的には最良か。
192Khz,24ビット ハイレゾ音源→ジャズボーカル、クラシックの交響曲。ただしダイナミックレンジが広いので、
音量がドカンと来るので、ボリューム調整が忙しいか。
実は、HH氏宅から帰ったら、私は町田でスタジオリハがあったのだ。
変わらず大音量でのハードロック系の練習だ。
美しいオーディオを聴いた後の大音量の洪水なのだが、
実は全員、音にはうるさいのだ。
私はドラムだが、音作りは最も興味のあるところで、
実は技なんかより音色のほうが個人的には重要。
今回もスネアドラムのスナッピーを42本から20本に交換して、胴鳴りを生かしたく、
そんなチューニングをしたり準備して行った。
チューニングが出来ないシンバルとの相性が悪いと、一気にやる気が失せることもある。
ギタリストもマイクや回路をよく交換して最良の音を目指している。
オーディオだってバンドマンだって、最良の音で聴きたい、聴かせたいのである。
じゃあ、私がネットワークオーディオを買いますか?
と問われれば、まだ買わない。(買えないし。)
リビングは子供が独占しており、TVがついているので、当分は音楽をスピーカーから
聴くことは不可能だ。
現実的な解決策は音の良いヘッドフォンになるだろう。
これもまた奥が深い世界で、密かに盛り上がっているのであるが。
持参CD: Kenny Wheeler Quintet、The Widow In The Window
SONY NEX-5/E18-55mm/F3.5-5.6 OSS