権助の冒険

ノンセクションでぼちぼちと。

映画「近松物語」

2015-06-06 13:43:12 | 映画

またまた溝口健二監督の旧き良き映画「近松物語」。
何と言っても画面が(モノクロ・スタンダードにも拘わらずに)きれい、美しい。
 
古典落語の「小言幸兵衛」 などでもお馴染みの”心中物”(本来なら”芝居”でお馴染みと言うべきなのだが全然造詣が無くて)、筋は陳腐だと思うが、役者陣の演技、カメラワーク、演出、編集、等々が誠に素晴らしい。
長谷川一夫は男の色気がたっぷりで、香川京子はただ清楚で美しく、湖の小舟の上で心中を覚悟して”おさん”の足を縛りさぁ飛び込もうと言う時に、
  茂兵衛「私はお家様のことをお慕い申しておりました」
  おさん「それを聞いたら是非とも生きたくないました。茂兵衛!!」    (もちろんこんな様な会話だったと言うことです)
なんてシーンが滅法良くて、次に良いのが上の写真の最後の場面、こんな残酷な場面でも何だかほのぼのした気分にしてくれる名演出。

この人の映画は「雨月物語」、「山椒太夫」と素晴らしい!素晴らしい!を連発してきたが、これも素晴らしい!
もし映画館(名画座系)に掛ったら是非見に行きたい、と名画座マニアの知人に上映情報探索を頼んでおいた。

 

溝口健二 - 近松物語 (1954) / Kenji Mizoguchi - The Crucified Lovers  

コメント
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