何とも不思議な映画「バグダッド・カフェ」、これと言った取柄が無いんだけれども、見終わった後にこんな気持ちの良いのも久しぶり。
西ドイツ製の映画で舞台はアメリカの砂漠の真ん中のドライブイン兼モーテル、名前は「BAGDAD CAFE」。
知ってる役者は「ジャック・パランス」(何とも懐かし!)のみ、この人がこんな役とは驚き、かつてはカストロや悪役を演じてどちらかと言えばアクションが得意だと思っていたので。
さて内容は、
アメリカ、ラスベガスとロサンゼルスを結ぶ道筋にあるモハヴェ砂漠のはずれ。そこにある、取り残された様な寂しげなモーテル“バクダット・カフェ”。ここをきりもりしているのは黒人女のブレンダだ。役に立たない夫、自分勝手な子供達、使用人、モーテルに居着いた住人たちにまで彼女はいつも腹を立てていた。そんなある日、ひとりの太ったドイツ女がやって来た。彼女の名はジャスミン。大きなトランクを抱え、スーツを着込み、砂埃の道をハイヒールで歩いてきたこの奇妙な客に、ブレンダは不快な表情を隠そうともしなかった。だが、この彼女の登場が、やがてさびれたカフェを砂漠の中のオアシスに変えてゆく……。
西ドイツの有名な女優さんらしいが、この太ったおばさんがさりげなくこのカフェの集まる人々を何と無しにまとめあげて行く、そして最後はミュージカル映画みたいなフィナーレまであって、ただしそれほど感動的でもドラマチックでも無い、ともかく不思議な映画。
ラストのセリフがまた良い。
老いたパランス:「もし良ければ結婚しないか」
ドイツのおばさん「べリンダに相談するわ」 といってこのおばさんの顔を見つめて映画は終わる。
と言っても何だかわからないと思うが、べリンダと言うのはこのカフェの女主人でおばさん(名前はヤスミン)と当初仲が悪く、段々と友情が芽生えて来る、と言った内容なので、この最後は「上手い!」って訳。
こういう地味な映画はNHKのTV放映(特に米国製以外の佳作は民放ではまず無理)でも無いと先ず見ることは無い。
そして、この映画、HDDから消せずにいる。
Bagdad Cafe Official Trailer #1 - Jack Palance Movie (1987) HD