以前から密にスキあらばと狙っていた川島雄三監督の「青べか物語」と「グラマ島の誘惑」を観てきた。
この監督はますます好きになった。(とっくに故人なのが残念)
「青べか物語」
東京と川を挟んだ場所にある浦粕。そこへ「先生」と呼ばれる三文文士が住み着くことになった。小さな漁村だが刺激に満ちているため、小説のネタになりそうだと踏んだのだ。
小料理屋の澄川には威勢の良い女たちが働いている。向かいの雑貨店の息子・五郎は妻に逃げられ「不能」と噂されている。
その他にも芳爺、わに久、勘六夫婦など、個性的な人々が暮らしていた。人間観察は楽しいものの、煩わしい人間関係をさけるため、先生は売りつけられた青べか舟で釣りに出かけていた。
しかし澄川で働くおせいに惚れられたことから、先生は思わぬトラブルに巻き込まれていくのだった。
(出典:全洋画オンライン)
この映画で展開する風景や登場人物の人間模様などは、今となっては実現不可能だろうと思う。(役者は揃わないし監督出来る人もいないし、この風景は再現できんだろうし)
以前黒沢明の「野良犬」に戦後の世相が良く表現されているとの評論があったが、実体験がないから「そうなんだ」で終わった、しかしこの映画で展開する風景やら人間模様はかなり実体験に近いものがあり、その意味では懐かしくもあった。
古典落語の人情噺の様な心地よい映画。(原作は山本周五郎、どうりで)
「グラマ島の誘惑」
終戦まじかの南洋の島に取り残された宮様の高官(兄弟)と慰安婦や従軍記者やらくりひろげるドタバタ喜劇で多少は軍国風刺を効かせた内容。
我々の世代からすると大年増の岸田京子、八千草薫とか淡路恵子の若い姿がみれることや、二枚目役者の三橋達也がたった一人の土人役(ごめん!)でドタバタしたりと見所満載ながら映画の面白さでは今一。
この監督の映画はもう少し掘り下げてみようかと思う。
話は変わって、本日は仕事上のお世話に成っている人(/なった人)と三蔵で会食、今夜のご馳走はテッチリと〆のフグ雑炊でメチャ旨かった、と言いたいところが気持ち良く酔っぱらって味わう余裕が無かった、残念。
今日も良い一日だった。