前回の「幻の女」に続いて今度は「らせん階段」、これも面白かった。
名前はどこかで聞いた覚えがある「ロバート・シオドマク」監督、結構いろいろと名作ミステリを作っている様で未見の作品も多数、今後も楽しみ。
やはりミステリ(サスペンス?)映画はシナリオ、カメラワークに加えて演技・演出、この映画はまさしくこれらが揃った傑作ミステリ。
〔内容〕
今世紀初頭、ニューイングランドのとある郊外の古い屋敷に住む病床の老婦人の世話を焼くため雇われた娘ヘレンは、子供時分に遭った火事で両親が焼死したショックから、耳は聞こえるが口がきけなかった。屋敷は夫人の他、継子のウォーレン教授と、その女秘書ブランシュやアル中の家政婦がおり、そこへヨーロッパから実子スティーブが帰ってくる。
おりしも、町では不具の娘を狙った連続殺人が起きており、夫人はヘレンに土地を去るよう勧める。そこへブランシュが殺されるという事件が起こり、スティーブを疑ったヘレンは彼を部屋に閉じ込めるが……。
ヒロインがこの大きな屋敷のらせん階段をジタバタ走り回る姿、それ自体がサスペンス感満載で見事なクライマックスシーンだった。
さて解説によればフリッツ・ラング(ブルー・ガーディニア)とこのロバート・シオドマクはナチス支配下のドイツを嫌いアメリカに亡命して映画造りをしていたみたいで、先日の「天井桟敷の人々」もナチスに占領されたフランスから亡命したフランス人達が作り上げたそうだ。
この様な人達が命がけで作った映画、面白いのも道理。
この映画のプロットが最近起きた施設での痛ましい事件と妙にかぶる。