市場の帰り山本山に向かってると残雪の中に若ブナの芽吹きが目に飛び込んできた。
これから一年で一番いい時間がやってくる。
老体は硬くなり、心は悲しみと不安が忍び寄ってる。
ミンミン橋の横の欅が切られ校歌の高揚感も流されてしまった。
ちょっと疲れたかな。
木津の若ブナはまだ幼く込み合って寄り添ってる。
越後三山を正面に走ると気分が上向いてきた。
避難者に夕飯を食べて頂いた時の記憶がそうさせたかもしれない。
得体の知れない飲食店に運ばれどうなるのだろうと言うような雰囲気だったが、料理を食べ始めお刺身が出る頃には顔の強張りも取れあっちこっちで笑顔が見え始めた。
途中でお客さんの送迎があってもどったらデザートが出始めていた。
何かを言えば傷つくかもと恐れていたが雰囲気がよくなってきたので、
挨拶と自分の体験を話した。
自宅と店は全壊。
二度の水害。
店の全焼。
火災報知器が壊れていなくて鳴り助かった事。
多くの人達に励まされた事。
何もなくなったけど家族と自分が生きのびた事。
それだけで僕はラッキーと思ってること。
一際落ち込んでるような老人が生気を取り戻したように近寄り、
あんたから元気を頂き御馳走にもなったと手を差し伸べてきた。
冷蔵庫の飲み物はセルフで好きなだけ飲んでいただいた。
そして帰りのお見送りは外のマイクロバスの入り口でしてた。
暗くて顔は見えなかったがお互いのありがとうのあと僕はもう逢うことはないだろうと思ってお元気でねと言った。
少女は声を震わせ思いつめたようにまた来ますと言った。
思いかけない言葉に動揺してありがとうとしか言えなかった。
残雪の中芽吹く若ブナに少女が重なって思える。
まだ厳しい現実だが時が流れてパートナーや家庭を作って思い出の土地だと訪ねて来てくれるような気がした。
それまで何とか生き延びよう、少し未来が楽しみになった。
店に戻ると磯谷さんからたっぷりの筍が届いた。
電話すると迷惑だろうがラーメンでも入れて使ったと言われた。
コゴミや独活も取れだしたのでタンメンは春がたっぷり。
仕事が追われて米粉のパスタも品切れ。
朝からピザ生地などで粉やさん。
ランキングを楽しみに書いてます、一押しをお願いします
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老体は硬くなり、心は悲しみと不安が忍び寄ってる。
ミンミン橋の横の欅が切られ校歌の高揚感も流されてしまった。
ちょっと疲れたかな。
木津の若ブナはまだ幼く込み合って寄り添ってる。
越後三山を正面に走ると気分が上向いてきた。
避難者に夕飯を食べて頂いた時の記憶がそうさせたかもしれない。
得体の知れない飲食店に運ばれどうなるのだろうと言うような雰囲気だったが、料理を食べ始めお刺身が出る頃には顔の強張りも取れあっちこっちで笑顔が見え始めた。
途中でお客さんの送迎があってもどったらデザートが出始めていた。
何かを言えば傷つくかもと恐れていたが雰囲気がよくなってきたので、
挨拶と自分の体験を話した。
自宅と店は全壊。
二度の水害。
店の全焼。
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多くの人達に励まされた事。
何もなくなったけど家族と自分が生きのびた事。
それだけで僕はラッキーと思ってること。
一際落ち込んでるような老人が生気を取り戻したように近寄り、
あんたから元気を頂き御馳走にもなったと手を差し伸べてきた。
冷蔵庫の飲み物はセルフで好きなだけ飲んでいただいた。
そして帰りのお見送りは外のマイクロバスの入り口でしてた。
暗くて顔は見えなかったがお互いのありがとうのあと僕はもう逢うことはないだろうと思ってお元気でねと言った。
少女は声を震わせ思いつめたようにまた来ますと言った。
思いかけない言葉に動揺してありがとうとしか言えなかった。
残雪の中芽吹く若ブナに少女が重なって思える。
まだ厳しい現実だが時が流れてパートナーや家庭を作って思い出の土地だと訪ねて来てくれるような気がした。
それまで何とか生き延びよう、少し未来が楽しみになった。
店に戻ると磯谷さんからたっぷりの筍が届いた。
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コゴミや独活も取れだしたのでタンメンは春がたっぷり。
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