学食から出て向かったのは食品問屋。
エゴ草が販売されてるからだ。
法事にエゴを使うと故郷を離れていた人たちが思い出す味の一つ。
まったく食べたことのない人やその子供たちもいるが。
田中角栄も大のエゴ好きだったと聞く。
日中正常化で中国に行くときも持って行ったと言われてる。
何しろ当時越山会の婦人部長は婆ちゃんだったからだ。
うその話じゃないよ。
こんなしょぼい食堂など辞めな、婆ちゃんが日本中どんな企業でも入れてあげるからと言った。
俺は食堂が好きなんだよと、今その話に乗ってればよかったと思ってる。
半分だけね。
明日は八海山の吟醸会。
もう何十年もつまみを作り続けている。
門外不出の大吟醸で人気があって会員制なのにお客さんが多すぎ。
がくさんの料理と酒が楽しみでと言われてやめられない。
明日はエゴ草と自然薯の磯辺巻を同じ皿に盛ろう。
エゴには天然キノコ酢味噌をかければいいかなとも考えてる。
舞茸などもたっぷり持ってぐがきっと松茸を持ってきてくれる人がいそうだ。
マツタケ酢味噌だな。
横にずれたが、片貝町で豆腐を求めてまいごになった。
太刀川豆腐屋を教えてと聞くけど誰も知らない。
ぐるぐる回って川岸で見たかった夕日に間に合わなくなった。
川一屋と言う名前を思い出したのは豆腐を受け取ってから。
板サンの奥さんの一族がやってる。
たまにお土産に頂いて気に入ってる。
雲が取れて秋晴れの冷たい空気に触れて、なんとなく人恋しくなったようだ。
両親が豆腐屋を一時やってたからそれを思い出したのかもしれない。
うまい豆腐はいっぱいあるけど豆の豊かさと取り組み方を感じる味だ。
本当の昔に近い味だ。
だしを入れて温めるだけの湯豆腐。
二度目のお代わりの時つゆがもったいなくて味噌を入れて煮た。
豆腐の味噌煮。
味は記憶が影響するのだろう。
心満ちた。
高千代の一般酒を飲みながら。
辛口みたいにすっきりしたより、今日はいろんなだしが効いてまろやかな味の方が好きだ。
絶品だね。
自分が言うと品が下がるかな。
ある食通が言った。
美味しいけどどちらかというと下品だねと。
それでしょっちゅう来ている。
明日は10種類ぐらいキノコを使うがブナハリとクリタケはなんにしよう。
最高に下品なキノコ料理を考えなくては。