冬はあけぼの

春も素晴らしいが、雪が光を取り戻す様も格別。
降雪や風や気温で刻々と変わる景観に光が加わって、二度と見られ無い風景。
あの山の向こうの山も、そのまた向こうの山も、きっと息を呑むような風景が広がってるのだろうな。
きっと誰も目にしたことの無い世界が。
店に帰る頃には西のほうから青空が広がり、光が満ち、せせらぎも輝きだした。


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鯨の胸肉タタキ堀之内風

久しぶりに家に帰ったら、いろんな用事が山積みで、早く寝なければいけないのにいつもの時間。
まだ禁酒は続いている。
酒を飲まないほうがらく、十歳若返ったと始めは感じたが今はそれが日常。
天気予報はお日様なのに、薄曇で何とか太陽が見える。
小千谷の市場に向かって、信濃川の橋を渡った。
川の上流に越後三山が座り、川面が朝日に輝いていた。
交通量が少ないので車を止めて景色を撮った。
岸辺は岩の岸壁になっていて、深い淵になっていた。
夏、うなぎつりに来たいと思った。
市場で桜鱒、鯨肉、鰯、マゾイ、ヒラメとタラを買った。
山菜の生産者がお客さんを連れてきたので、持ち込んだアスパラ、ウルイ、タラノメを茹で、鯨肉をサラダアブラで両面焼、薄切りにして、ゆでた山菜をあしらえ、醤油、味醂、コショウ、生姜のソースをかけて出した。
これが好評で堀之内風と名づけた。
生産者は大喜び。
桜鱒は塩釜に。
刺身に松葉蟹の足をさらしてつけた。

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バレンタインデー

昨日は海岸沿いまで雪が降った。
その影響かどうか、一般客が予想より少なかった。
主力のバイトのお姉さん達はお休み。
それでまあまあの忙しさ。
夕方バレンタインデーだったときがついた。
なぜ気がつかなかったかと言うと、今年は義理も本命もチョコ無しだったから。
それだけ存在感が無いのだろう。
お姉さん達は町にチョコ撒きにいったのだ。
今日の昼定食は生アジのフライとイカ生姜焼き。
娘の病院と銀行の契約。
夜は同業者の役員会の懇親会を店でやってくれた。
会長がワイン好きだったので、ボルドーのワインでノーベル賞受賞者が常泊ホテルが使う赤ワインとフランス大蔵省が使うワインを出したら、さすが年代を見て、この年はぶどうが豊作でと、恐れ入りました。
一番最後のお客さんは大湯温泉。
雪が五割も多い。
僕も感心する多さ。
たまに自宅に帰らなくては。

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本日の天ぷら、海老のトマト巻き、初物行者ニンニク、フキノトウ

昨晩は北斗七星を久しぶりに見て、雪は降らないだろうと思ってた。
ところが5時過ぎから本格的に降りだし、また白い世界に逆戻り。
除雪隊のご飯が終わる頃には西のほうから青空が広がり、太陽が薄く見えた。
市場が無いので娘を早めに迎いに行き、八郎場のトンネル抜けて川沿いに車を止め風景を撮った。
突然、鳥たちが右往左往し始めた、川上を見ると大きな鷲が飛んできた。
オジロ鷲かと尾を見たが黒かったので、きっとイヌワシかもしれない。
川原の石に見えたのは鴨達が休んでいたのだった。
予約が四つ。
人数も少ないのとお店もいまいち暇なので冷凍庫の氷取り。
二日前から電源を切ってそこの方から整理して、これから春に備える。
近所の農家が行者ニンニクを持ってきた。
天ぷらに揚げてみた。
ほのかなニンニクの香りと上品な甘さが口に広がった。
三年前から打ち合わせをして作ってもらったもの。
いろいろ試行錯誤、今年も失敗。
一握りしか分けてもらえなかった。



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家の前にキジが

雪の結晶が降り続いていた。
繊細で大きくて軽くて。
そんな雪のついた木々の美しいこと。
氷を薄くして作った雪みたいな雪は、春を待つ木々の梢に青白い花を咲かせていた。
もう一生見ることは無いような感じだと思いながら市場に行った。
相変わらずタラと南蛮海老とヒラメとマグロ、マゾイ、炉端焼のお客さんが二組あるのでタラバガニも買った。
帰る頃は青空が広がりだしていた。
妻が体調を崩し、つられて娘も良くない。
お昼をやってから娘を自宅に送っていった。
ハトみたいな孔雀みたいな鳥が居るよというので、車から降り振り返るとキジが近くを歩いていた。
娘に知らん振りして動かないでといい、デジカメで撮った。
きっと養殖して放鳥されたのだろう、人間に逢ってもひるまず、わが道とばかり歩いていった。
猫のように飛び掛りたい衝動があって、キジの鍋が脳裏に浮かんだが、自宅の前だから良い人ぶってそのまま玄関に入った。
ミッキーも散歩して無いだろうと思い、鎖をつけづに散歩した。
うっかりウンチの袋を忘れ、ミッキのウンチを雪で掴み丸めて持ち帰った。
手が冷たくて痺れてしまった。
雪で曲がった竹の先を切り離し、起こし始めた。
ミッキーがアソボ、アソボと吠えながら絡んで来るので中止。
暇で陽気の良い日にやり直し。
積雪181センチ。
また雪がちらつきだした。
時々雲が切れ、星が見えたりしている。



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キンちゃん奥さんの煮菜

雪が付き合いで降ってるようなこの頃。
キンちゃん夫婦が薪作りに通ってきている。
自作床暖房をしたので、快適な暖かい冬を過ごせるかと思い、薪作りは少なめにしたらしい。
床暖房は天ぷらの廃油で、豆腐屋が油揚げを作るために大量に出るらしい。
想像だが、熱効率が悪く、きっと地球も温めてるのではないか。
運転開始に潤滑水を温めるだけに200リッターの廃油が要ったらしく目を白黒していた。
当然薪ストーブが活躍。
薪ストーブの燃料が底をついて、とうとう相談にやってきた。
店のストックの薪を分けた。
奥さんがこれ良かったら食べてときを使って持ってきてくれたのは、煮菜であった。
ちょっと酸っぱいのを煮たのでといって手渡された。
銅鍋で煮てうち豆を入れた素朴なもの。
今年は野沢菜をつけなかったからまだ何回も食べてはいない。
長年食べなれた味はダイエット中にかかわらずご飯をお代わりさせた。
昨日祭日に蕎麦を打ってると、お客さんが面会だそうですとバイトが言った。
ちょうど水回しに入ったばかりで手を離す事が出来なかった。
終わってから行くとuxのアナウンサー大島直子さんだった。
木沢に雪堀講習会の取材に来たそうだ。
テレビで拝見するより、実物の方が魅力的だった。
新しいタイプのピザを作って味見してもらおうかと思ったが追われて何も出来ずじまい。
お昼過ぎに職場訪問の女子学生が一人来た。
もし来てくれれば戦力になるのに。
髭ぼうぼうの遭難者見たいの風貌で対応したから、きっと考えを直すのではと心配している。


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雪中花水祝い

昨日は板長が休みなうえ、予約が二つ。
一組は幹事さんが気合を入れている会だった。
肉も出してもらって、後献立を教えてほしいと強く言われた。
ちょうど気分が乗らなくって、人には言えないが出来れば来てもらいたくない客と感じた。
まだ半月以上あるのに、そして冷凍品を使ってるわけではないから。
一番の根本はその時一番いい物を使いたいと、それが店をやってきた元、それを知ってほしいと幼稚な発想であった。
いろんな葛藤と時間が過ぎ、海の状態や、手持ちの素材、精神状態などまとまって一つの提案をした。
幹事さんは喜んでくれた。
気温が上がり、雪国の霧。
白に白、何千の白の組み合わせ、微妙な違いが心の動きと絡んで感動している。
今回ウッチャンと板長が一緒に韓国に行く。
隣の国だから簡単に考えていたら、打ち合わせが必要と言い出したので鮨政に飲みに行った。
打ち合わせより美味い鮨と酒、話し込んでいたら店主も良いね言った。
この前市場の研修旅行に行った仲なので、一緒に行くかといったら即、行くと言われた。
三人より5人の方が話題が有って楽しい、その代わりアドベンチャーだよと伝えた。
言葉も何もわからなくてホテルの予約があるだけ。
雪が強く降ってきた。堀之内町では雪中花水祝いの祭りが行われている。
新婿が頭から冷水を掛けられる神事。
義兄弟が飲みに来て、母が亡くなったから、祝いの行事では祝詞を言う訳だったがと顔を赤らめて、千葉から来た友人と盛り上がっていた。
今年の竹の子だよと小さなたけのことキンギョソウの束をお土産に持って来てくれた。



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底雪崩発生

温かい雨が降り続いたため、雪量ががくんと減って25センチぐらい下がった。
なだれ注意報が出ていて、長岡市の何処かは道路が埋まったとニュースが報じていた。
店の前の崖も雪崩が発生して、雪の土が付き茶色の後が幾筋も見える。
前は晴れのマークが有った天気予報は、いきなり小さな雪だるまになってしまった。
日差しにつられて出てくる人を期待したのに。
こんな雨でも食事に来てくれた人もいて、その上板長が休みなので何かとせわしない。
昼定食は生姜焼肉に鰯のフライ。
酢の物はナラタケとたことおろしで作った。
自宅の柚子も駄目にならないうちに使おうと考えもぎ取ってきて酢の物の上に。
夜の組は肉が多いほうが言いと言われたので、牛肉としか肉のロースをローストして出す。
遠方から来る人がいるので地鮎の子持ちを焼いて出す。
イノシシと天然きのこでまたぎ汁をして、十割蕎麦を打って出す。


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魚野川農園 ２

昨日は自分の飲み会を店でやった。
絵描に写真家にドクターに元政治家に星野さん。
ドクターが飲み会をやるからと言うのでありがとうございますといったら、おマサンも頭数に入ってるのだよと決められてしまった。
酒を断ってる4日間がまたゼロになってしまうと少し悲しかった。
体調も良くないような気がしてわき腹も痛い。
胃潰瘍の薬をサボったせいか、それともガンの始まりかと考えてみた。
飲み始めれば雪中梅の甘みが気にならず旨いこと。
早めに始めたから、もう9時頃には床に入った。
夜中に雨の音が聞こえ、4時頃には目が覚めた。
また読書。
魚市場に行った。
大きなナメタカレイと水蛸、ナンバンエビ、生カジキマグロ、鰯を買った。
昼定食は鰯のフライと昨日買ったイナダの刺身付き。
プリモピアットの生地にアーモンドの粉末を入れてみた。
米粉のパスタと米粉のピザ生地、いつもの生地、を作ったらいい時間になって昼寝が少ししか出来なかった。
昨日食べた蕎麦が美味かった事と海老の天ぷらにトマトを巻いてあげたのと魚野川農園のフキノトウが美味かったので、今日同級生が来てくれるので同じ天ぷらにすることにした。
南蛮海老があまり多く買ってきたので板長が山芋を入れたしんじょうを勝手に作ってつけていた。
高級で昨日とは違うねと言うと、ナンバンエビの買いすぎ、駄目にならないうちに喜んでもらおうと思ってさーと。
調理室で開きだしたフキノトウといい色合いに盛り付けられた。



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自家製みそ漬

四日目になったが酒は飲まなかった。
ご飯も減らしてかなりダイエットと思ってたらマキ婆の作った豆で作ったお菓子を食べ、止められなくなって、とうとう一合ぐらい食べてしまった。
夕飯を何にしょうか考え出したが、お腹がすいていない。
夕飯は水一杯大盛りの何にも無しに落ち着いた。
頑張る日本人に涙、自分を振り返ったが比較は無理と思い早めに寝た。
当然は早く目が覚め、久しぶりの読書時間。
除雪隊の朝食は少ないのでゆっくりして外に出て見た。
太陽が昇り始め、真上に少し太めの三日月。
市場に行ったがしけで魚がなかった。
昼定食のハマチを買い、ヒラメやマグロなどを買って帰った。
晴れたけどお客さんはまばら。
予約が二つ。
そのうち自分が出る会が一つ。
今回は気が進まない、4日も禁酒が続いたのに。
ビールや酒のほかに白ワインシャルドネを飲んだ。
問屋から電話で頼んだフランス上院議員の御用達ワインは品切れとの事。
ほかノーベル賞受賞者の泊まるホテルの赤ワインなど８種類が手に入った。
常時50種類以上あるのにワインリストが無い。
去年塩漬けしていたミョウガやはぐらウリ、キュウリ、ナスなどの塩漬けを水出しして味噌に漬け込んだ。
出してたでたら結構いける。
おしんこの付け合せに使おうと考えている。


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