[HRPニュースファイル514]
「ありがとう」と言える農政へ――自民党よ、肚をくくってカルマを刈り取れ!
今、環太平洋連携協定(TPP)への参加交渉を巡って、自民党の政権運営に暗雲が立ち込めつつあります。
自民党は2012年の衆院選の公約として、「『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り、交渉参加に反対」の立場を取っていましたが、6日、自民党の高市政調会長は「交渉には参加しながら守るべき国益は守る、条件が合わなければ脱退する、という選択肢もゼロではない」と述べ、安倍首相が交渉参加に踏み切った場合は党として容認する可能性を示唆しました。
その一方で、自民党内のTPP反対派でつくる「TPP参加の即時撤回を求める会」の入会者が党所属議員378人の半数を超える195人に拡大しており、自民党内部からTPP参加推進を阻止しようという動きが活発化し、自民党が二分されています。(1/10 東京)
◆TPPに関する一貫した幸福実現党の主張
TPPについて、幸福実現党は「TPP参加推進」という主張を一貫して行っております。その理由は大きく言って二つです。
一つ目としては、世界全体のGDP約40%もの規模を誇るTPPへの参加が日本経済発展への無限の可能性を拓くからです。
そして二つ目としては、TPPには「中国包囲網」という国防的側面が挙げられます。
幸福実現党・大川隆法総裁は 「TPPとは、実は、『アメリカとアジアを経済的に結び、中国を外す作戦』であり、TPPの本質は『中国包囲網』なんです」 (『ジョーズに勝った尖閣男』)と対談の中で語られている通り、自由主義や民主主義を掲げる国々を結集して中国に知的所有権の保護や人権重視などの規範の尊重を促す目的があると言えます。
以上のようにTPPへの参加は、今後の日本経済の発展と、中国の覇権主義に対抗するために、国防的にも必要不可欠な一手なのです。
◆大局的判断が求められる安倍首相
幸福実現党の「政策シンパ」である自民党の安倍首相も、もちろんTPP参加推進への明確な意図はありながら、現状では「国益に適う最善の道を求めていく」というあいまいな表現にとどまっています。
なぜなら、TPP参加によって既得権益を奪われる農協などの全国組織の票田を、次の参議院選において失うのが恐いためです。
しかし反面、国内の選挙対策を優先しそうな安倍政権に対して、アメリカ側は冷ややかで、安倍政権が強く望んでいる日米首脳会談の日程がなかなか決まらないのも、TPPに進展が見込めない首脳会談を敬遠しているという見方があることを忘れてはいけません。
また、10月にインドネシアで開かれるAPECでのTPP合意が全体の目標となっており、もし日本が交渉参加するならば、米議会の承認に90日間かかるため、どちらにしても参院選前のTPP参加表明が求められるのです。
安倍政権は「自分たちの票田を守るか」、それとも「日本の未来の繁栄を守るか」という選択を大局に立って、勇気を持ってTPP参加に一歩踏み出さなくてはなりません。
◆TPP参加に向けて自民党が果たすべき責任
と同時に、TPP参加への障害となっている既得権益自体を作りだしてきたのも、戦後自民党が行ってきた政治であったと認め、責任を負うべき時期が来ています。
とりわけTPP参加について、特に争点となる農業(特に稲作)においてでしょう。
自民党(特にTPPに反対している農林族議員)が集票のために行ってきた農政が、農家を過剰に保護しながらも、やる気を奪い、どれだけ農業(特に稲作)を衰退させてきたかについて有権者に対して正直になり、説明責任を果たすべきなのです。
まさに、自民党は「自分で蒔いた種は自分で刈り取る」という姿勢を持つべきです。
◆TPP参加によって発展する日本農業のビジョンを語れ!
と同時に「TPP参加によってこそ、日本農業の更なる発展は実現できる!」という真実を有権者に伝え、安易なTPP反対論に対して、しっかり向き合って理解を促すべきです。
特にTPP反対派が最も懸念を示す「関税の即時えることも排除されているわけではありません。」と『TPP興国論』の著者である松田学氏も述べている通り、TPPに参加すると関税を即時撤廃」についても、「WTOの規定に準拠すると、TPPで関税を撤廃するのは10年後まで猶予があると解されています。交渉次第では、10年を超廃しなくてはいけないかのような風説には嘘があるのです。
そして、どのように新しい日本農業を創りだしていくかというビジョンをしっかりと示すことです。
◆TPP参加に向けて自民党の見解を一致させよ
政策公約を平然と覆すような真のない政治は民主党までで十分です。
「国益」の観点からTPPには参加するしかない安倍政権は、自民党候補でありながら集票のためにTPP反対を訴え、後でなし崩し的にTPP賛成へと身を移すような嘘つき議員を国会に送りこんではいけません。
もし、TPP賛成を堂々と訴える勇気ある候補者が見つからないのならば、TPPはもちろん、安倍政権と足並みの揃う幸福実現党の候補者を推薦候補にするというオプションを、安倍総理にご提案したいと思います。
幸福実現党は、今年7月の参議院選挙に向けてTPP問題について、今までの農政に振り回されてきた農家の方々の苦しみをまず受け止めます。
そしてTPP参加によって日本の農業の明るい未来を拓くことができると誠心誠意伝え続けて参ります。「ありがとう」と言える農政へ。(HS政経塾 第1期生 城取良太)
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