大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道232

2009-06-02 20:08:17 | E,霧の狐道
 俺はお守りの角度を変えて見たが、どうしても暗い中では図柄は見えない。

“ あれっ、さっきのって夢かな??
 そう言えば、昨日、お揚げ婆さんがレム睡眠中に現れるって言ってたな・・。
 さっき目覚めたように思うんだけど、今、目覚めたからさっきのは夢の中で
 目覚めた夢だったのかな。
 じゃ、今、目覚めたこれも夢かも知れないぞ?
 もう、どれが夢でどれが現実か、何が何だか分からなくなって来たぞ・・。”

もう一度横を見ると、左手を突っ張ったまま龍平はす~す~寝ている。

“ う~~ん、これは・・・??
 お守りが効くって思ったのも夢だったら、効くかどうか分からなくなって来
 たぞ。
 効かなかったら、ちょっとヤバイかもしれないぞ。
  女の子に取り憑かれたら、大変だ。
 いや、もう取り憑かれてるのか・・。
 ああ、もう、、ヤバイな、ヤバイな。
 でも、効くような気もするし・・・。
 龍平も居るし、心強いことは確かだし・・・。
 ・・・、今、何時かな?”

 龍平の左手を除けて、枕元の時計を見るとまだ1時だ。
まだ、2時まで時間がある。

“ ええい、もう、考えるのは止めだ。
 体力を消耗するだけだ。
 まあ、何とかなるだろう・・・。
 取り敢えず、もう、ちょっと眠っておこう。”

ヤバイときの現実逃避だ。
俺は布団を首まで引っ張って,再度、眠りに付くことにした。

“ 今度は変な夢は見ないように・・・。”

俺が眼を瞑ると、暗い病室に静けさが広がった。



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