大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆(  しづめばこ P574 )                          

霧の狐道238

2009-06-25 18:42:03 | E,霧の狐道
 俺と龍平は布団から眼だけを出して女の子を見詰める。
女の子は白い顔をこちらに向け、俺の眼を見て言った。

「 でも、明日は特別な日、必ず遊べるわ。
 ふふふ・・・。」

俺は由紀ちゃんのお守りをギュッと握った。
女の子は向きを変え、田中爺のベッドに進んだ。

「 寝てる・・。」

 そして、次に山本爺のベッドに近付く。
ベッドの横に立った女の子は、盛り上がっている布団に右手を翳した。
すると、半透明な山本爺が布団を突き抜け、ベッドを降りて女の子の横に立った。
 布団の大きな盛り上がりはプシュっと潰れて低くなり、人が寝ている程度の膨らみを残して平たくなる。
龍平が小さな声で俺に訊いた。

「 あれは・・・?」
「 分からん?
 昨日は、あんなの無かった・・・。」

 女の子は、半透明な山本爺を従え空きベッドに進む。
そして、右手でベッドの上を丸く擦った。
ベッドからは、昨日と同じように黒い影が起き上がりベッドを降りて女の子の横に立つ。
それを見て、龍平が声を詰まらせるのが聞こえた。

「 うっ・・・。」




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