俺はちょっと壁を見てから龍平に言った。
「 玄関からじゃないんだけど・・・。」
「 玄関でなかったら、どっから来るんだよ?」
「 壁から出て来る・・・。」
「 えっ、そいつ等って、壁に住んでるんか?」
「 いや、壁の向こうの何処か遠いところ・・・。」
「 遠いところから飛んで来るんか?」
「 お経と共に飛んで来て、壁に赤い輪っかを作って、そこからニョロンと出
て来るんだ。」
「 う~ん・・・、信じないと言うことではないんだけど・・・。
で、ヘビ次郎ってのは・・・?」
「 お揚げ婆さんは、ヘビ次郎に乗っかって来るんだ。」
「 えっ、お揚げ婆さんってヘビに乗っかって来るんか?」
「 ああ、そうなんだ・・・。
初日はガマ太郎の乗ってやって来て、二日目は弟のヘビ次郎だよ。」
「 ・・・・・・・????」
龍平の眼がジワジワと疑い始めている。
「 ガマ太郎って、カエルか?」
「 そう。」
「 それっておかしいで、ガマ太郎がカエルだったら、ガマ太郎の弟もカエル
だろ。
どうして、弟がヘビなんだよ?」
「 それはお揚げ婆さんに聞いて見ないと分からないなァ。
ん・・・・・。
これって、日替わりだな。
じゃ、明日は何に乗って来るんだろ?
龍平、分かる?」
「 あ~、もう、言ってることが分からん。
それ、分からん、それ、理解不能・・・。
あっ、そうか、分かった。
変な夢でも見たな。
プレッシャーに弱いな、貴志。」
「 えっとォ・・・・・。」
「 ハイ、もう、漫才、オシマイ、オシマイ!」
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