大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道255

2009-09-14 18:59:31 | E,霧の狐道
「 誰か来た?」
「 うん、そうや。
 エレベーターに近付いてみると、下から上に何かが上がって来るんや。
  で、“これってヤバイぞ”って感じがしたんで、5階の談話室に大急ぎで飛び込
 んで、扉の隙間からそっと覗いてたら・・・・。
 誰やと思う?」
「 誰?」
「 エレベーターの扉が開いて、出て来たヤツは黒い影。
 さっき、落ちて行ったヤツ。
 また、上がって来よったんや。
 それで、談話室の前を通過して、屋上の階段、上がって行きよったわ。」
「 見に行った?」
「 いや、やっぱ、どう対処していいのか分からんし、行かんかった・・・・。
 それで、とにかく貴志に状況を知らせたろと思って、もう一度、4階に降りる階
 段のところに行ったら、看護婦さんの見回りの懐中電灯の光が階段を上がっ
 て来るのが見えたんや。
  俺、一回見つかってるから、今度見つかるとヤバイことになると思て、慌てて
 5階の自分の部屋に戻ったんや。
 看護婦さん、5階の部屋も一つ一つ回って行くから見回りの時間が結構掛かる
 んや。
 それで、ベッドに入って、これはどうしたもんやろかと、さっき見たこと考えてい
 るうちに寝てしもたんや。」
「 ああ・・・、それで来なかったのか。
 来るかも知れないと思って待ってたけど・・・。
 俺も、待ってるうちに寝てしまった。」
「 そうか、やっぱり待ってたのか・・・。」




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