一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

新日鉄の買収防衛策(つづき)

2006-04-01 | ネタ

昨日のエントリでふれた新日鉄の買収防衛策ですが、海外でも波紋を呼んでいるようです。

The New York Timesでは敵対的買収防衛策としての同業3社のカルテルは長期的にはマイナスになるのではという論評をしています。

 日本では昨年『負け犬の遠吠え』という本がベストセラーになった。これは30代の独身で子供を持たない女性を「負け犬」と揶揄したものである。
 今回の3社の提携強化は、現時点では高付加価値の鉄鋼製品の開発で国際競争力を持つ日本企業同士の強者連合であるが、その反面他の企業とのチャネルを閉ざす行為でもある。
 上の例に拠れば、市場競争力のある20代の女性同士がつろんでいるうちにお互いに歳を取り、そろって「負け犬」の仲間入りをする危険を伴っているともいえる。
 一方わが国の人気TV番組"Sex and the City"に登場する女性達は日本で言えば「負け犬」に分類される存在であるが、彼女達はいつもチャンスに対して貪欲である。
 常に魅力的な存在であるためにはどちらのスタンスが効果的であるかについての興味深い実験といえよう。
(2006/04/01 "Does a bond of steel spoil Japanese companies?")


中国新華社は、これは日本人の孤立主義・非協調的性格の現われであるというかなり攻撃的な論評をしています。

 中国が2001年にWTOに加盟して以降、東アジアにおける自由貿易の旗手を標榜している日本企業は中国市場に対し容赦のない攻勢を仕掛けてきている。その一方で今回の新日鉄および鉄鋼大手によるカルテルは、日本経済が他人には市場開放を迫りながらも自らは保護主義の鎧をまとったままであることを端無くも露呈した形となっている。
 実は日本の閉鎖性はいたるところに垣間見ることができる。
 信頼できる政府関係者筋によれば、昨年のASEAN外相会合において李肇星外交部長が訪日を非公式に打診した際に、自ら靖国神社に参拝し日本帝国主義の犠牲となった日本人戦没者の霊を弔いたいと申し出たところ、町村外相(当時)は「靖国神社問題は国内問題であり、敵対的参拝は認められない」として、訪日が見送りになった経緯があるとのことである。
 日本は近い将来、その器量の小ささが国の成長余力の限界を定めていることを思い知るであろう。
(2006/04/01 "Japanese ambivalent closed imperialism")


また、Financial Times紙はロンドン在住のラクシュミ・ミタル、ミタル・スチール会長のコメントを載せています。

「現時点で日本の鉄鋼メーカーの買収に興味を持っているか否かついてはコメントできない」
「私がハナ肇に似ているといわれていることも不本意ながら承知しているし、日本では植木等の方が人気があることも知っている」
「しかし私は、日本の投資家たちは、少なくとも企業経営においてはスーダラ節な無責任男よりもリーダーの方が経営者として適任であるというくらいの分別を持っていると期待している」
(2006/04/01 "Who is the most essential in the Crazy Cats?")


日本も世界的なM&Aの潮流の中で意識される存在になってきたということでしょうか。





PS
最後までリンクをクリックされなかった方も既にお気づきと思いますが、上記はすべてエイプリル・フールの架空の話ですのであしからず。

コメント (2)
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