高校野球でも準々決勝と準決勝の間に1日休みを入れて投手に連投をさせないようにしているというのに、私は火曜日から会食の4連投です。
昨日書いたように2試合目は延長戦にもつれこむ熱戦だったため試合後はへろへろ状態でしたが、3試合目は球数を意識しながらの投球を心がけたので、比較的元気に帰宅できました。
その3試合目は転職者の送別会。
行った先で功を焦って危ないことに手を染めたり、過去の悪行のスケープゴートとしてはめられたりしないようにね、という話も出たのですが、 それに関連した話がこれ、
一部業務の6か月間停止、JPモルガン信託銀行に命令
(2006年 4月 5日 (水) 21:16 読売新聞)
金融庁は5日、米大手金融グループのJPモルガン信託銀行に対し、不動産証券化業務で法令違反があったとして、不動産関連の新規業務を今月13日から6か月間停止する命令を出した。
また、同信託銀行とJPモルガン・チェース銀行東京支店に対して、グループ運営体制の見直しなどを求める業務改善命令を出した。
金融庁によると、JPモルガン信託銀行には不動産を審査する部署がなく、2003年から昨年まで、不動産所有者の言い値で証券化商品を作り、実際の価値より高い値段で機関投資家に販売していた。中には建築基準法に違反しているなど、証券化に適さない100件程度の物件も含まれていた。
新聞記事だとこれだけで、業務停止6ヶ月というのだから内部管理が相当いい加減だったのかなと思う程度なのですが、金融庁のHPで JPモルガン信託銀行株式会社に対する行政処分についてを見ると
Ⅰ.命令の内容
銀行法第26条第1項及び金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第8条の2、並びに、金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律(以下、「本人確認法」という。)第9条の規定に基づく命令(以下略)
ここで「本人確認法」が出てくることを頭の隅においてください。ちなみにこれはマネーロンダリングを防止するために預金や投資を受けいれるときには実質的な投資主体を確認しなさいよ、という法律です。
Ⅱ.処分の理由
当庁の今般の立入検査(平成17年9月22日通知)及びその後の報告徴求により、当行の法令等遵守(コンプライアンス)及び経営管理(ガバナンス)態勢などに以下の重大な問題が認められたこと。
特に、当行の資産流動化関連部門の営業、受託審査、受託後の運営・管理等については、取組方針の抜本的な見直し・改善、及び、態勢(人的構成と体制の構築を含む。)の構築・整備に専念させる必要性が確認されたこと。
1.法令違反等
(1)不動産を原資産(信託財産)とする流動化・証券化案件の不動産管理処分信託業務において、当行は引受けを行おうとする不動産の受託審査・査定等を行わずして(人的構成や体制を整備せずして)、その結果生じる対象物件の瑕疵やリスクを信託受益者等に転嫁して、受託による収益を収受する営業を推進している。
当庁の今般の立入検査等により、当行が受託した信託財産(不動産)の状況や組成内容を検証した結果、適法状態への是正が困難な違法建築、収益還元法等を利用した物件評価の嵩上げ、流動化や開発等に不適の不動産や種地を使った金融取引、信託を導管体に物件を短期売買する租税回避などが多数確認され、現物不動産の実際の価値とは乖離した信託元本又は信託受益権価額、当該受益権の他者への譲渡の承諾、並びに、利益相反の営業が認められている。
当行は、信託業務を兼営する銀行として、信用を失墜させることのないリスク管理及び内部管理態勢を整備しなければならないにもかかわらず、これを行わずに基本的な注意義務が履行できない態勢及び業務運営上の重大な問題が認められるとともに、不動産管理処分信託契約の受託者責任は免れず、信託法第20条及び信託業法第28条第2項(いわゆる善管注意義務)に違反していること。
(2)また、不動産の流動化・証券化案件の信託受託に伴う口座開設に関して、当行には適正な内部管理態勢や事務手順が整備されていないことから、本人確認法に規定する本人確認義務(第3条第1項及び第2項)違反、及び、本人確認記録の作成義務(第4条第1項)違反等が多数認められていること。
(3)加えて、上記(1)の営業推進により不動産管理処分信託の受託が急増する中で、これを適正に処理する事務管理及び内部管理態勢が整備されず、当庁への信託事務事故等の届出を行わずに、銀行法第53条及び金融機関の信託業務の兼営等に関する法律施行規則第12条の2(改正後は第31条第4項)に規定する届出義務に違反する事例が認められること。
(下線は筆者、以下略)
金融庁のリリースを読むと、要するに
素性を明かせない顧客から委託を受け、信託受益権を信託受託者として実勢とかけ離れた価格で売買したり、本来信託を受託できないような二束三文の物件も信託に入れて取引し、利益や損失の付け替えによる租税回避行為やマネーロンダリングに手を貸したんじゃないか(おまけに手間賃としてかなり無理なフィーの取り方をしてるし)
ということですよねぇ。
察するに、 海外のプライベートバンクの顧客(○○国の大金持ちやら王族やら)のお忍びの投資とか、法人の損失先送りスキームとか節税スキームとかを不動産信託を通じてやっていたのではないでしょうか。
だとすると、このあと国税とか金融庁の追加処分とかもあるのではないかと思います(ヤバイ筋とかが絡んでいるともっと大事になるでしょう)
新聞が各誌ともさらっと書いているのは、「続報を待て」というようなサインが金融庁から出てたりするのでしょうか。
6ヶ月間の新規営業停止というのも、免許取り消しを念頭に置いての、既存の受託物件を整理する猶予期間という見方もできます。
それとも単なる勘ぐりすぎというやつでしょうか?
個人的にはしばらく成り行きに注目です。