昨日のエントリで取り上げた『Google』の隣にあったのでついでに買った本です。
橘玲(たちばな あきら、と読むんですね)さんの本は平積みでよく見かけるので、今まで何回かパラパラと立ち読みした事があります。
この本は株式投資全般について、さまざまな投資理論から、投資商品のしくみまでまとめたものです。 難しい事をわかりやすく説明することが上手だな、と改めて思いました。
たとえば株式投資の代表的な手法について以下のようにまとめてます(もっとも詳しい解説はあるのですが)
①トレーディング(デイトレードを含む)
メリット:ゲーム性が高く、いちどハマるとやみつきになる。
デメリット:ゼロサムゲームなので、初心者の大半は敗退していく
②個別株長期投資(バフェット流投資法)
メリット:資本主義の原理に忠実なので、もっとも大きな利益が期待できる
デメリット:企業調査に時間と努力が必要
③インデックス投資(経済学的にもっとも正しい投資法)
メリット:あまりに簡単で考える必要すらない
デメリット:平均的にしか儲からない
どの投資手法にも一長一短があるのだが、株式投資の世界にはそれぞれの派閥に原理主義者がいて、互いに罵り合っている。
(中略)
私は投資における原理主義を否定しないが、ひとつの手法に忠誠を誓う必要もないと思っている。投資家は主義主張を争っているわけではなく、最後はより効率的に儲けたひとが正しいのだ。
内容的には特に画期的なことはないのですが「うまい儲け話というものは絶対にない」ということを、投資は許容されるリスクの範囲内で行うべきことを何度も強調しています。
私が投機を勧める気にならないのは、必ず損をするからだ。株式投資が確率のゲームである以上、それは避けることができない運命みたいなものだ。プロのギャンブラー(投機家)はそのリスクに耐えつつ、確率的に優位なポジションをとるためにありとあらゆる可能性を探る。それでもしばしば失敗して、なにもかも失う。
投機において、損するリスクを想定していないと、ものすごく不愉快な思いをすることになる。それを承知でゲームとして楽しむのならなにもいうことはないが、これまでふつうに生きてきたひとがわざわざそんな体験をすることもないと思うのだ。
株高というので「ひとつ私も株や投資信託でも」と言い出した年金暮らしの親に読ませるにはちょうどいい本かもしれません。
あとがきの最後
最後にお断りしておくと、私自身はここで述べたような「合理的な投資法」を実践しているわけではない。
ひとには、正しくない事をする自由もあるからだ。
(このレトリックはどこかで見たこともあるのですが、それはおいといて)私はここ数年はインデックスファンドに毎月定額の投資(ドルコスト平均法ってやつです)というやつしかしてません。
まあ、これは原理主義というよりインサイダー取引とかいちいち気にしなくていいのと、本業でない自分が本気で市場に参加している他の人より上手くやれるとは思えないのと、銀行においておくと使っちゃう(市場リスクより無駄遣いリスクの方がが高いw)のと、上にあるようになにより面倒くさくないというあたりの理由からです。
それでも先日の日経平均の500円近い下げのときに思わずいつもの購入日と違うのに買いを入れてしまったことを思い出してしまいました。
まあ、人間の欲なんて、そんなもんです(案の定その後もまた下げてますが、気にしない、気にしないw)
![]() |