「謝礼」渡したのに卒業できず 埼玉医大に返還請求
(2006年 4月11日 (火) 19:11 朝日新聞)
卒業が決まった謝礼の現金を受け取りながら、のちに除籍処分にしたとして、埼玉医科大学(埼玉県毛呂山町)の元医学部生の男性(44)の母親(75)が11日、同大学の丸木清浩理事長ら3人を相手に、謝礼金計450万円の返還と慰謝料800万円を求める訴訟をさいたま地裁川越支部に起こした。男性が退学処分の無効を求めて起こした訴訟は、05年に最高裁で敗訴が確定した。
訴状などによると、男性は85年に同大学に入学。93年に最終学年の6学年に進級後も留年を繰り返した。当時の学則で専門課程の在籍上限年数を過ぎた96年夏の追試にも合格せず、自主退学扱いとなった。同年12月に退学を知った母親が、未納だった学費計約2360万円を全額納めたと抗議したところ、翌97年2月に処分がいったん撤回された。
同月末、教授らから「卒業でよかったね」などと声を掛けられた母親は、男性の卒業が決まったと思い込み、理事長と教授ら3人に「卒業を認めてくれたことへの謝礼」などとして現金100万~200万円を渡した。
しかし3月、大学側から「卒業は翌年に延ばし、形だけの復学試験を受けてほしい」と言われ、男性は99年まで試験を受けたが合格せず、04年になって、97年当時に除籍処分になっていたことを知ったという。
一旦自主退学にしたのに学費(2300万もするんですか?何年分でしょう?)をもらったら処分を撤回するという大学側も大学側ですが、まあ、そっちの訴訟は決着がついてしまったわけで、そうなると謝礼を返還しろ、というのはそもそも難しそうですね(カネを渡すから退学処分を撤回してくれ、というようなワイロならともかく。)
今回の訴訟は、謝礼を受け取った事実が判決で公になることを避けるために被告が和解に応じてくる、と読んだのでしょうか。退学処分の訴訟といい、捨て身というかやけっぱち気味の訴訟ですね。
47thさんにTBいただいた日本人の法的リテラシーや法曹人口の増加の影響についての議論とはあまりに次元の違う情けない話ではあります。
それにしても、訴訟以前に、卒業できたかどうかを自分で学生課とかに確認もしないで最後に試験を受けた99年から04年までこの男性は何をやってたんでしょうね。
考えようによってはこういう人が医者にならなくてよかったのでしょう。
万が一医者になったら、こんなことをしでかすのではないでしょうか。
患者体内にiPod置き忘れ 滋賀・びわこ医大病院
(このリンクがしたかっただけのエントリですみません)