一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『グーグルGoogle 既存のビジネスを破壊する』

2006-04-28 | 乱読日記
ネット上ではAmazonで予約が売り切れて入手困難などといわれていた『グーグルGoogle 既存のビジネスを破壊する』を自宅の駅前の本屋で見つけました。
(この手の本は「リアル」の本屋の方が入手しやすいのかもしれません)

これは『ウェブ進化論』と逆にネットを利用する側に立って、具体例豊富に書いた本なので「へぇー」とか「うんうん、これはわかる」と思いながら一気読みしてしまいました。
『ウェブ進化論』よりはグーグルの実像がわかりやすく書いてあります。


優秀な検索エンジンを持っていたが収益につなげることができなかったグーグルが(もともとは他社のアイデアである)「キーワード広告」によってアドワース/アドセンスという莫大な広告収入を得るようになり、さらにその収益をベースにしてさまざまな無料サービスを提供して、究極的には世の中のすべての情報をデータベースに取り込む、というのがグーグルという会社の実態のようです。

しかし、その存在が巨大化するにつれ、また、集め、利用できる情報を増やすために、権力(米国政府とか中国政府)との妥協をする姿や、グーグルという私企業のプラットフォームゆえに、ある日一方的に不正と判断されて「グーグル八分」にされてしまうことの恐ろしさにも触れられています。

言うなれば、Googleが神(本書では「ネット上の司祭」といってます)であるとして、神が降臨するところにどういうことが起きるのか、またはノアの箱舟の乗り心地はどんなものなのかということを書いた本です。


専門的なことは私の手に余るので、R30氏のblogでの書評とそこで紹介されているpal氏小飼弾氏のblog、そして、毎度斜めからの切り口の切込隊長などを参考にしていただければと思います。
(これらの方にはあらかじめ本が贈呈され、ブログで書評されることを期待しているという今風のプロモーションをやったようですが、私が買うくらいの効果はあったようです)









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王様の役割

2006-04-28 | よしなしごと

タイ国王、定数未満での国会開会を拒否 
 (2006年4月26日 01:52 Nikkei Net)

【バンコク=長尾久嗣】国会開会期限を5月2日に控え500人の定数が満たせないタイ下院について、同国のプミポン国王は25日夜、「500人そろわなければ国会は開会できない」と述べ、開会に必要な詔勅への署名を拒否する意向を示した。
「選挙に1政党しか立候補しないのは民主主義ではあり得ない」とも語り、全400の小選挙区のうち約7割が与党・タイ愛国党候補のみとなった4月2日の総選挙に不快感を表明。総選挙のやり直しも含め、タイ政局は再び転機を迎えた。

南部フアヒンの離宮に滞在中の国王は25日、司法関係者を呼び演説し、テレビ局が放映した。立憲君主制のタイで国王が公の場で政局に介入するのは極めて異例。国王は野党やタクシン首相に反発する市民団体が求めていた国王による暫定首相の任命も拒否し、国民による解決を促した。

ずっと政治的混乱が続いていて、与党は多数を盾に強行な国会運営をし、野党が選挙に候補者を立てるのをボイコットしている中で、野党や国民の一部が憲法上の国王の権利である首相指名権の行使を望んでいた、といった状況のようです。
これに対し国王は「民主主義国家なんだからわがまま言ったり拗ねたり他力本願でなく、自分達でしっかりやりなさい」と言ったということなんだと思います。

国王に諭されてしまう民主主義政党というのも妙な話ですが、こういう風にタイミングを見計らって見識ある発言をする国王がいるからいまだに王政が健在なのか、王様という最後のよりどころがいないと勝手放題してしまうという国民性なのか、どっちなんでしょう。

現代において王政が有効に機能している少ない例のように思います。

でも、こういう王室の後継者の帝王学ってどうやって教授するんでしょうかね。
やはりイギリスのOxbridge関係なんでしょうか。 

コメント (2)
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