(この手の本は「リアル」の本屋の方が入手しやすいのかもしれません)
これは『ウェブ進化論』と逆にネットを利用する側に立って、具体例豊富に書いた本なので「へぇー」とか「うんうん、これはわかる」と思いながら一気読みしてしまいました。
『ウェブ進化論』よりはグーグルの実像がわかりやすく書いてあります。
優秀な検索エンジンを持っていたが収益につなげることができなかったグーグルが(もともとは他社のアイデアである)「キーワード広告」によってアドワース/アドセンスという莫大な広告収入を得るようになり、さらにその収益をベースにしてさまざまな無料サービスを提供して、究極的には世の中のすべての情報をデータベースに取り込む、というのがグーグルという会社の実態のようです。
しかし、その存在が巨大化するにつれ、また、集め、利用できる情報を増やすために、権力(米国政府とか中国政府)との妥協をする姿や、グーグルという私企業のプラットフォームゆえに、ある日一方的に不正と判断されて「グーグル八分」にされてしまうことの恐ろしさにも触れられています。
言うなれば、Googleが神(本書では「ネット上の司祭」といってます)であるとして、神が降臨するところにどういうことが起きるのか、またはノアの箱舟の乗り心地はどんなものなのかということを書いた本です。
専門的なことは私の手に余るので、R30氏のblogでの書評とそこで紹介されているpal氏と小飼弾氏のblog、そして、毎度斜めからの切り口の切込隊長などを参考にしていただければと思います。
(これらの方にはあらかじめ本が贈呈され、ブログで書評されることを期待しているという今風のプロモーションをやったようですが、私が買うくらいの効果はあったようです)