汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 雨粒の幻想

2009年10月06日 | 初期中期の詩
音も無く
迸る雨に心は踊らされて
葉の乱舞の戦きが
鮮明な色に流されていく視界の中で木霊している
灰色の世界に沈殿している
滑稽な現実の境目に
雨は執拗にその液体を捻じ込ませていく
音も無い世界の狂狂とした時間の流れに
私は取り残され
表情の壊れた顔に、涙は無意識に流れ出て
可憐に舞う少女の白く細い腕の中に
漆黒の雨粒は優雅に溶けて無くなっていく
時間は無残に壊れ果て
徒労は限りの無い祝福にて膨張していく
雨は尚も降り続く
灰色の世界が心を支配していく
私は天に腕を伸ばしたまま
魂の壊れた人形のように
視界は朧に塞がれたまま
己の幸福を祈っている
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