汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 破廉恥な欲望

2009年10月22日 | 初期中期の詩
臆病な心を隠すため
そして、柔肌に残るのは昨日の余韻とこれからの絶望
あなたの頼りない囁きを踏み締めて
通りを流れていく亡霊達は透かした身体を
私達に見せびらかすかのように
淀んだ陰鬱な流離いに身を痛めている

段々と身体が言う事を利かなくなって
人形に朽ち果てる苦しみを
私はおどけた視線で、あなたの瞳に訴えかけている
誘惑は何処までも、私を異常な夢心地に誘い、そして惑わし
枯れ果てていく花は、その可憐な姿に
蕩けそうな地獄の業火に跪く少女を思わせる

潤しく咲き乱れた花よ
乱舞は掻き乱された逡巡を、より一層臆病なものにさせる
滴る水の飛沫
うろたえた人間の浅ましい程の淫乱な姿
病気が更なる臭気にその身体を腐らせるとき
破廉恥な憤りは、薄汚れた詩集の中に納められる


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躊躇い→ためらい
流離い→さすらい
蕩けそう→とろけそう
跪く→ひざまずく
破廉恥→はれんち
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みやすけの詩 出会いと別れ

2009年10月22日 | 初期中期の詩
遠い海原を旅するように
出会いと別れの流動に虚しく平伏している

涙に暮れたのは
あなたの面影を、いつまでも遠巻きな夕日に映していたから

映写機が奏でる郷愁に調べが
憂鬱な太陽に薄らと纏わりつく幻影のように
響きは訪れる淋しさに打ちひしがれ
風に煽られては舞い上がる花弁に身を任せて
まどろんだ古に
二人は絶えず互いを見つめ合い
両の手に握りしめられているのは
遠い残像に掻き乱された変わらない願い

遠慮がちに見つめる感覚が
より一層と生い茂った蒼草のように
綻んだ身体をむやみに蝕んでいく

(拠り所のない羊は、その淋しさに身を震わせている)

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纏わり→まとわり
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