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化学遺産に蚊取り線香など5件を選出

2017-03-08 | アート・文化
 化学に関する貴重な歴史資料を認定する「化学遺産」に、日本化学会は除虫菊を原料とした蚊取り線香など、近代的化粧品の関連資料など計5件を選んだと発表した(3月7日)。
 ◆認定化学遺産
 第039号『日本の油脂化学生みの親―辻本満丸関連資料』
  鮫肝油中に存在する高度不飽和炭化水素「スクアレン(C30H50)」の発見(1916年)
 第040号『日本の酸素工業の発祥と発展を示す資料』
  酸素工業は日本の重工業化を支えた重要産業である。
  日本の酸素製造は、エア・リキード社(仏)が1907年に大阪鉄工所(現日立造船)内にクロード‐H型空気液化装置で、また日本酸素(現大陽日酸)が1911年に東京でリンデ‐H型空気液化装置で始めた。
 第041号『日本における殺虫剤産業の発祥を示す資料』
  上山英一郎(1862~1943)は、1885年に除虫菊の種子を米国より入手し、和歌山で栽培を開始した。これが日本における殺虫剤産業の発祥である。除虫菊は当初ノミ取り粉として使用されたが、上山は除虫菊粉に椨粉(たぶこ)などの糊を加えて棒状に成型し、1890年に世界初の棒状蚊取り線香を商品化した。
 第042号『近代化粧品工業の発祥を示す資料』
  明治政府は、華族に対するお歯黒、眉(まゆ)掃(は)きの禁止、断髪令発布など化粧や髪型の西洋化を進めたが、庶民にまで近代的な化粧が普及するには相当な時間が必要であった。近代化粧品工業は明治期を通して徐々に形成された。
 第043号『天然ガスかん水を原料とするヨウ素製造設備および製品木製容器』
  三増春次郎は、大河内正敏博士の助言を受けて房総半島で得られる天然ガスかん水からのヨウ素生産を考えた。製造技術の開発を京都帝国大学佐々木申二教授は、この地方のかん水に高濃度に含まれる炭酸水素イオンを活用した銅法の開発に成功した。1934年に相生工業はこの製法を工業化した。
 ◆化学遺産
 化学遺産委員会は平成20年3月発足した。
 (1)我が国の化学・化学技術史に関する歴史的に貴重な資料等の調査・収集・保管
 (2)化学関連の研究・技術等で大きな功績を残された高名な化学関係諸先達にインタビューを行い、それを映像と音声及び冊子体で後世に残す事業
 (3)会員及び一般市民を対象とする化学・化学技術史に関する普及・啓発事業の実施、を重点的な活動として行っている。
 平成22度からは新たに、
 (4)世界に誇る我が国の化学関連の文化遺産を認定し、それらの情報を社会に向けて発信する「化学遺産認定事業」を理事会の承認を得て開始することになった。

 天気は晴れ。なのに時々小雪が舞う。空は晴れても雨が降る、狐の嫁入り、と言うが、雪が降る場合には何と表現するのかな。
 庭の隅に植えられている、”アセビ”が咲いている。釣鐘のような小さな花が沢山咲いている。赤い花だ。”アセビ(馬酔木)”の花は基本的に白色で、赤みを帯びる花を”アケボノアセビ(曙馬酔木)”と呼ぶようだ。”アケボノアセビ”の赤味が強い園芸種を”ベニバナアセビ(紅花馬酔木)”と区分する、と言うが、どの程度の赤みで区分するのかは、私には判らない。
 ”アセビ”は、葉・花・樹皮に強い毒(神経毒-アセボトキシン)がある有毒植物。アセビを「馬酔木」と書くのは、牛馬が葉などを食べると麻痺(酒を飲んだ様な酩酊状態)するからと言う。名(アセビ)の由来には諸説あるが、足廃(あしひ、あしい)や悪実(あしみ)からなどの説がある。足廃(あしひ)とは足が病気になった状態で、これも誤食による麻痺からである。
 アセビ(馬酔木)
 別名:馬酔木(あしび)、馬酔木(ばすいぼく)
 学名:Pieris japonica
 ツツジ科アセビ属
 原産地は日本
 常緑広葉樹低木・中高木
 開花時期は3月~5月