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精子異常による男性不妊は血中PCB濃度と関連する

2017-03-31 | 医学
 東北大学の有馬隆博教授、仲井邦彦教授らにより、「精子異常による男性不妊と環境由来化学物質であるポリ塩化ビフェニル(PCB)の血中濃度の上昇に関係がある可能性が示された」と発表(2月13日)。詳細は「Scientific Reports」(電子版)に掲載された。
 研究グループは、PCBがヒト精子のエピゲノム異常に関与し、男性不妊症に影響するのではないかという仮説のもとに解析を実施。
 不妊治療を受けた男性221人を対象に、血中PCB濃度と精子異常の関係性を分析。その結果、被験者のうち精子の数が極めて少ない「乏精子症」の30人は、精子が正常な人と比べて、血中PCB濃度が平均して1.6倍高いことが分かった。さらに、精子と卵子が受精する際に、遺伝子の働きをコントロールする「DNAメチル化」という反応に着目して、精子の数との関係性を調べたところ、精子の数が正常な人はDNAメチル化に異常がある人の割合が約17%にとどまったが、乏精子症の場合はその割合が約70%と高かった。また、DNAメチル化反応が異常な精子で体外受精を行ったところ、正常な精子と比べて妊娠率が低下することも判明。これらの結果かから研究グループは、PCBが精子のメチル化に悪影響を及ぼして精子数を減少させ、不妊につながっている可能性があるとみている。
 これより、PCBなどの環境由来化学物質は生殖細胞(性腺)に影響を与え、オスのメス化や精子数減少などを引き起こしていると考えられているとするほか、精子数が少ない乏精子症の原因の一端が明らかになったとしており、今後のヒト男性不妊症の原因と病態解明、治療法開発に役立つことが期待されるとコメントしている。
 ◆精子の損傷
 生殖能力は、精子の遺伝子の損傷が2割程から低下し、3割~4割になると不妊となる。
 男性不妊の原因として、環境ホルモンとよばれる環境汚染化学物質(PCBやDDT等)が懸念されている。PCBは環境残留性と人体への内分泌攪乱作用があり、精子数減少や運動率の低下などが引き起こされることが報告されている
 PCBは電気製品の絶縁油、熱交換器、ノンカーボンの感圧複写紙など幅広い分野で使われていた。人間や動物の体内に蓄積されると、ほとんど排泄されない強い毒性があることが明らかになり、1972年に製造・使用が中止された。しかし、PCBを使用した機械類は廃棄されないまま、現在も公共施設などで使われている。

 今日で3月がお仕舞。感覚的に、4月から本格的に春と思っている。
 空は曇。散歩道沿いの空地で”フキノトウ”を見つけた。少し開き加減だが、まだまだ美味しく頂ける。
 ”フキノトウ(蕗の薹)”はフキ(蕗)の花の蕾で、葉が出る前に花蕾(フキノトウ)だけが地面に出てきたのだ。早春の雪解けの防寒のためか、蕾を苞(ほう)が厚く取り巻いている。
 フキノトウ(蕗の薹)
  フキ(蕗)の蕾
 キク科フキ属
 原産地は日本、樺太・朝鮮半島・中国にも分布する
 多年草
 蕾の状態で摘み採り、煮物・味噌汁・ふきのとう味噌などで食べる
(花が咲いてしまうと苦い)