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糖尿病の高齢者は特に筋肉が減少してしまう

2019-03-03 | 医学
 神戸大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌内科学部門小川渉教授らの研究グループが、「糖尿病になると筋肉量が減少するメカニズムを解明した」と発表した(3月1日)。血糖値が上昇すると2つのタンパク質の働きを通じて筋肉量を減少させるという。
 高齢者の筋肉が減少して身体機能が低下する状態は「サルコペニア」と呼ばれ、特に糖尿病患者はこの状態になりやすいとされていた。
 研究グループは、マウスを実験的に糖尿病にするとそのマウスは筋肉量が減って“KLF15”というタンパク質が筋肉で増えることを発見した。”KLF15”がない糖尿病マウスをつくって調べたところ筋肉は減らなかった。
 これらの実験データを分析した結果、血糖値の上昇が”KLF15”の分解を抑制してしまい筋肉に蓄積することや、”WWP1”という別のタンパク質が”KLF15”の分解を促すなど重要な働きをしていることが明らかになった。
 糖尿病はインスリンというホルモンが体の中で十分に働かなくなることによって起こる。インスリンは血糖値を整えるだけでなく、細胞の増殖や成長を促す働きがあるためにインスリンの作用が足りなくなると筋肉細胞の増殖や成長が妨げられて、筋肉が減少するのではないか、という仮説も提唱されていた。小川教授らは、2つのタンパク質の役割を突き止めて血糖値の上昇自体が筋肉の減少を引き起こすことを明らかにした。
 現在、筋肉の減少に対する薬はない。研究グループによると、この2つのタンパク質が関連する筋肉減少のメカニズムは人間にもあり、”WWP1”の働きを強めたり、”KLF15”の働きを弱めることができる薬を開発できれば、糖尿病患者だけでなく、多くの高齢者の筋肉減少対策に役立つ可能性がある、と言う。

 今日の天気は晴れ。最高気温が10℃以上と思われ、風も弱いので、春が来たのかな、と思うほどだ。
 3月3日は桃の節句、雛祭り。耳(みみ)の日(昭和31年に日本耳鼻咽喉科学会制定)でもある。
 ★日本の五節句
 1月7日 人日(じんじつ)の節句      七草の節句
 3月3日 上巳(じょうし、じょうみ)の節句 桃の節句、雛祭り(女子の節句)
 5月5日 端午(たんご)の節句       菖蒲の節句   (男子の節句)
 7月7日 七夕(しちせき、たなばた)の節句 七夕祭り
 9月9日 重陽(ちょうよう)の節句     菊の節句
 因みに、日本人形協会では昭和天皇の即位以来、男雛を向かって左に置くのを「現代式」、右に置くのを「古式」としている。
 写真は、先日”パトナ”での雛飾り。