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細胞壁の形成を促進する新たなタンパク質2種を発見

2019-03-24 | 農業
 植物の細胞壁は、陸上にもっとも豊富に存在する最大の生物資源である。木材や綿、紙パルプなどといった多くの工業製品にも応用されている。近年は化石燃料に代わるバイオ燃料や次世代素材のセルロースナノファイバーの供給源としても着目されている。細胞壁はセルロースなどの多糖類が蓄積されたものである。細胞壁形成のための蓄積量や位置は、植物細胞の中で制御されていると考えられており、その仕組みは解明されていない。
 国立遺伝学研究所の小田祥久准教授、東京大学大学院理学系研究科、理化学研究所環境資源科学研究センターの共同研究により、「細胞壁の形成を促進する新たなタンパク質2種を発見した」(1月29日)。
 研究グループでは細胞壁の形成を制御する遺伝子を探すために、道管の細胞に着目した。道管を構成する細胞は、細胞内を空洞にすることで水を通す役割を果たしているが、その細胞壁は厚く丈夫であり、「壁孔」と呼ばれる微小な水の通り道をつくっている。「壁孔」周辺ではとりわけ細胞壁は厚くなり、特徴的なアーチ型になることが知られている。
 独自の細胞培養法を用いて、道管の壁孔周辺で活発に働くタンパク質を調査したところ、新たに2種のタンパク質が発見され、「WAL」と「BDR1」と名付けた。
 「WAL」は、アクチン繊維と呼ばれる繊維状の構造に結合することで、壁孔の縁に沿ったリング状のアクチン構造を作り出すことが確認された。アクチン繊維を破壊した植物や、WALタンパク質を失ったwal変異体では機能が抑制され、アーチ状の細胞壁の形成は不完全なものにとどまった。
 「BDR1」は細胞膜上に存在する低分子量GTPアーゼの一種である、ROPタンパク質とWALの双方に相互作用することで、アクチン繊維のリング構造が形成される位置を制御していた。「BDR1」の働きを制御することで、壁孔のWALタンパク質が消失することが確認された。
 これらから、細胞膜上のROPタンパク質が、「WAL」と「BDR1」を介してアクチン構造を壁孔に集めることで、壁孔周辺での細胞壁の形成促進していることを示している。
 植物の細胞壁を利用した物質・エネルギー生産は温暖化の原因である大気中の二酸化炭素の削減に貢献するとされる。中でも樹木を用いることで、食料生産と競合することがなくなるというメリットも踏まえた上で、研究グループでは、今回発見されたタンパク質の働きを利用して細胞壁の形成を促進することで、細胞壁の生産の多い樹木の開発などにつながると期待を寄せている。
 〇道管の細胞壁にある壁孔
  壁孔を伴った細胞壁を形成し、壁孔の縁で特に活発化し、アーチ状の細胞壁が形成される。
 〇WALタンパク質
  道管を構成する細胞では壁孔の縁に存在し、リング状の局在を示す。

 今日は曇り~晴れ。風が少し強く、最高気温8℃程、寒さが戻ってきた感がある。
 近所の駐車場の塀とアスファルト舗装の間に今年も”フキノトウ”が出てた。同じ場所で見つけて今年で7年目?となる。
 ”フキノトウ(蕗の薹)”はフキ(蕗)の花の蕾で、葉が出る前に花蕾(フキノトウ)だけが地面に出てきた。早春の雪解けの防寒のためか、蕾を苞(ほう)が厚く取り巻いている。
 フキノトウ(蕗の薹)
  フキ(蕗)の蕾
 キク科フキ属
 原産地は日本、樺太・朝鮮半島・中国にも分布する
 多年草
 蕾の状態で摘み採り、煮物・味噌汁・ふきのとう味噌などで食べる
  ・・花が咲いてしまうと苦い・・