天気 曇一時晴
室内お散歩で眺める林の木々、薄曇の午後の逆光で撮ったらモノクロになった。ここは武蔵野の雑木林の名残りなので、葉が落ちたあとは明るくなる。
午前中はお風呂へ入ったりで室内散歩は出来ず、午後になってから少し歩こう、と1階へ。面会の中年夫婦が玄関に来ていた。
車椅子の女性の親族らしい。施設内には上げず、3mくらい離れてちょっと会話を交わし、見舞いの荷物を職員が受け取る。「何か必要なものがあったら担当の方に電話してもらってね、又持ってくるから」
というのが聞こえた。電話がないようだ。「また、手紙書くわね」会話からして、親子ではないらしい。
話すことはしっかり出来る人なので、携帯があれば問題ないのに・・などと勝手に思った。とにかく、コロナ禍では高齢者は足と頭をしっかりさせておかねば・・と改めて思った。
少し日差しが出たので、いつものようにラウンジで日向ぼっこしている時のこと。ラウンジで会えばいつも世間話をする近くの部屋の人が隣に座り、とりとめなく話していたら、他の階の男性が上がってきた。この方、結構認知症が進んでいるものの話は普通に出来る。彼女、しばらくして
「〇さん、いつ入居されたんでしたっけ」と。
「1年になるかなあ・・」と男性。
「随分前からいらっしゃるのね」
「△さんは?」
「私はまだ3ヶ月くらいよ」
え!!びっくりして私は思わず
「△さん、私は3ヶ月前に来たのよ、もうその時、△さん、ここにいらっしゃったでしょ?」
「そうだった?、でも私、そんなに長くは居ないのよ」
1年以上は前に入居しているはずだ。もう、それ以上は言えなくなった。彼女から私は、他の入居者が春以来の自粛暮らしで認知症が進んだ、という事実を知ったのだ。あの人もあの人も・・などなど。それがご本人も?
でも、他の話はすべて正常なので、時間経過がどこかでおかしくなっているようだ。娘さんが会いにきた話も、最近のことのように言っていたけれど、もうかなり前に聴いていたことだったし。認知症とはちょっと違うかもしれない。
他にも、彼女と話していると内容の繰り返しがとっても多い。昨日それはもう聴いてる、というような。でも、私もそのくらいのことはあるだろうし。
今までに「私はまだ(頭を指して)ここは大丈夫だから。でも〇〇さんは・・」という話をたくさん聞いてきた。
やっぱりねえ・・通院している近くの病院は、正常な精神の人は行かない病院だし。私がそういう病院情報に詳しいことを彼女は知らないので、よく通院先の話をしてくれている。すべてに納得がいった。そう思って付き合えば、別に問題の起きないタイプの人だ。
でも、私は3ヶ月前ここへ来たことに間違いはない。
寒暁を戻れぬ家の夢に醒め KUMI
室内お散歩で眺める林の木々、薄曇の午後の逆光で撮ったらモノクロになった。ここは武蔵野の雑木林の名残りなので、葉が落ちたあとは明るくなる。
午前中はお風呂へ入ったりで室内散歩は出来ず、午後になってから少し歩こう、と1階へ。面会の中年夫婦が玄関に来ていた。
車椅子の女性の親族らしい。施設内には上げず、3mくらい離れてちょっと会話を交わし、見舞いの荷物を職員が受け取る。「何か必要なものがあったら担当の方に電話してもらってね、又持ってくるから」
というのが聞こえた。電話がないようだ。「また、手紙書くわね」会話からして、親子ではないらしい。
話すことはしっかり出来る人なので、携帯があれば問題ないのに・・などと勝手に思った。とにかく、コロナ禍では高齢者は足と頭をしっかりさせておかねば・・と改めて思った。
少し日差しが出たので、いつものようにラウンジで日向ぼっこしている時のこと。ラウンジで会えばいつも世間話をする近くの部屋の人が隣に座り、とりとめなく話していたら、他の階の男性が上がってきた。この方、結構認知症が進んでいるものの話は普通に出来る。彼女、しばらくして
「〇さん、いつ入居されたんでしたっけ」と。
「1年になるかなあ・・」と男性。
「随分前からいらっしゃるのね」
「△さんは?」
「私はまだ3ヶ月くらいよ」
え!!びっくりして私は思わず
「△さん、私は3ヶ月前に来たのよ、もうその時、△さん、ここにいらっしゃったでしょ?」
「そうだった?、でも私、そんなに長くは居ないのよ」
1年以上は前に入居しているはずだ。もう、それ以上は言えなくなった。彼女から私は、他の入居者が春以来の自粛暮らしで認知症が進んだ、という事実を知ったのだ。あの人もあの人も・・などなど。それがご本人も?
でも、他の話はすべて正常なので、時間経過がどこかでおかしくなっているようだ。娘さんが会いにきた話も、最近のことのように言っていたけれど、もうかなり前に聴いていたことだったし。認知症とはちょっと違うかもしれない。
他にも、彼女と話していると内容の繰り返しがとっても多い。昨日それはもう聴いてる、というような。でも、私もそのくらいのことはあるだろうし。
今までに「私はまだ(頭を指して)ここは大丈夫だから。でも〇〇さんは・・」という話をたくさん聞いてきた。
やっぱりねえ・・通院している近くの病院は、正常な精神の人は行かない病院だし。私がそういう病院情報に詳しいことを彼女は知らないので、よく通院先の話をしてくれている。すべてに納得がいった。そう思って付き合えば、別に問題の起きないタイプの人だ。
でも、私は3ヶ月前ここへ来たことに間違いはない。
寒暁を戻れぬ家の夢に醒め KUMI
また新しい季語に出逢うことができました。
「冬暁」「冬曙」など、素敵な日本語ですね。
あっ、そう言えば今朝方には、64歳で亡くなった2番目の兄も夢に出てきましたね(笑)
>薄曇の午後の逆光で撮ったらモノクロになった
これ好きです。
確か「冬木」が入った自由律があったな?と探したら、格調が低すぎるので紹介しません(笑)
>携帯があれば問題ないのに・・
コミュニティセンターで「ぶらり歩こう会」を3人で幹事やっていましたが、2人は携帯もスマホも持っていないんですよ~。
後で知りましたが、一人は市役所で携帯を持たされていて退職してからは持ちたくないんですって(笑)
以前、「ぶらり歩こう会」幹事をしていた尊敬する大先輩は87歳で、歩く足の速さも早いのですが、奥様が認知症で定期的に病院に付き添っておられます。
ところが、その奥様は電話してもお会いしても、いつも丁寧な関東弁で応対されます。
だから私が奥様が認知症だと感じたことはないのですが、大先輩が奥様の状況を時々話されるんです。
先日はテレビで歴史家が昭和天皇のことをちょっと話されていましたが、終わりの頃よく何度でも繰り返し同じ質問をされていたらしいとのことでした。
>「そうだった?、でも私、そんなに長くは居ないのよ」
なるほどですね~。
私の長姉が、そろそろそんな気もしてきました。
>でも、私は3ヶ月前ここへ来たことに間違いはない。
認知症ってそういうことなんですね。
姉たちとのやり取りの参考になります。
私の両親も、頭だけは最期の前日まで正常でしたが同じ話はよく出ましたねえ。
でも、それが度を越えると、認知症と言うのでは、と思います。
彼女、今日も、昨日の朝と同じことを初めてのように話していました。
殆ど毎日ですから、やっぱり・・に入るみたいです。
小父さんの周囲の方も、度を越したら、頷いてあげるのがいいですね。
暁・曙、日本語は美しい、と思うことばですね。
季語に使いたい、と思ってもなかなか良い句にはなりません。
人間の夢はあまり覚えていません。
覚えているものは、大体がショックな場面ばかりです。
実はここの建物、階段は使用禁止にして入れなくなっています。元気な人が少ないのですから一番危険なのは階段、だそうです、残念ですが、弱い人に合わせるので仕方ないですね。
母をよく訪ねて介護施設に出入りしていたので「愚痴」は
よく理解できます。私も食事に付き添った時は気を遣って同じ食卓の方ともお話をしたものでした。耳の遠い方とすぐ忘れる方で、私から見ると母が一番しっかりしていると思えましたが、それなりの三人の社会ができていました。
KUMIさんの問題意識がはっきりしていて興味深い内容で読み応えがあります。
ほんと、又、吟行へ行ける日が来るやら来ないやら・・
今年は、ロウバイの香すら遠くなりました。