回顧と展望

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オバマの憂鬱

2013年03月22日 13時55分15秒 | 日記

つむじ風のようなオバマの中東訪問だったが、中東和平前進については今回も、これといった成果を出せずに終わってしまった。そして、今回のオバマのイスラエル訪問は、イスラエルによるイラン核施設への先制攻撃阻止がその最大の目的だったが、果たしてネタニエフ首相を思いとどまらせることが出来たのか心もとない。イラン核問題と比較すれば、ラマラでアッバスとの会談は刺身のつま、あるいは目くらましみたいなもので、最初から何かの成果を意図したものではなかった。

アメリカ国内の強力なイラン(現在のイラン政府を支持するものではない)ロビーを考えれば、イスラエルによるイラン空爆は何としても避けたいところだ。シリアに対するアメリカの腰の引けた対応をみてもこのことは明らかである。アメリカとしては、いずれはイスラエルによるイラン空爆は避けられないとみているが、そのタイミングと口実とを確保しておきたいというところだろう。いずれにせよ、いったん手に入りそうになった核兵器を手放す国は古今東西どこにもいないから、イランが外交交渉によって核開発を断念することはない。

オバマがいくらイスラエル国民に話しかけても彼に対する信認は回復せず、言葉の空虚さがいやでも目立ってしまう。大統領二期目で外交面での成功を収めることは思いのほか難しそうだ。演説で夢を振りまくことはできても、その夢を実現することは比較にならないくらい困難だ。まして中東においては。

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