回顧と展望

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世界大戦再び?

2014年01月06日 16時27分34秒 | 日記

昨年末ケンブリッジ大学の著名な歴史家マーガレット・マクミラン教授が米国ブルッキングス研究所に寄せた論文によれば、現在の世界情勢はサラエボでのオーストリア皇太子暗殺事件を契機に近隣諸国が戦争に巻き込まれ、さらに大国が介入して第一次世界大戦が勃発した時期に酷似しているという。

同氏によれば、1914年にはそれまで世界の覇権を握ってい英国に代わって米国が世界の覇権を握ろうとしていた時期であり(換言すれば英国の国際政治における影響力の喪失)、2014年の今日では、中国が世界の覇権を虎視眈々と狙っている一方で、米国の無能ぶりが露呈している。言い換えれば世界の覇権が移行するときに世界情勢は不安定になり、小さな事件が人為的ミスにより拡大する。

現在では、中東情勢、イランの核開発問題、日中の領土問題などがその引き金になり得るというものだ。マクミラン教授は、歴史が繰り返すことはないにしても同じようなパターンを辿る可能性があると警告、世界の指導者が、今が世界大戦の危機を孕んでいることを認識して、平和的な新秩序の確立を呼びかけている。偏狭な国家主義や軍事力を背景とした身勝手な膨張主義が取り返しのつかない結果をもたらす。

この論文は2度の世界大戦を経て人類が何を学んだのかを問うている。日本の安倍首相は「痛恨の極み」を連呼して靖国神社を参拝しているが、同教授の警告に耳を傾けて、第一次世界大戦から100年目の今年はよくよく考えて行動する必要があるだろう。

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