NHK衛星放送で2005年英国映画「高慢と偏見」を観た。個性的な風貌のキーナ・ナイトレイが第78回アカデミー賞主演女優賞候補にノミネートされた秀作。ジェーン・オースチンの原作にもほぼ忠実であり、美しい英国の田園あるいは邸宅の丁寧な描写がでてきて懐かしい。更には一つ一つがかなり長い台詞で、英語の持つ重厚さも感じることができる。話が進むにつれてキーナ・ナイトレイが魅力的に見えてくるし、また、陰影がその表情を一層引き立てていた。
ここで描かれているようなあからさまな身分社会はいまでは存在しないが、英国の上流階級には依然として同じような精神構造が存在していることも事実だ。200年近く経っても、人の高慢と偏見には大きな違いはないのだろう。
世界的な名作として知られるこの「高慢と偏見」だが、高慢と言うと原題である「Pride」を必ずしもうまく表現していないのではないかと思う。むしろ、「自尊心」に近いのではないか、と。この小説は恋愛小説であって、当時の政治情勢などは全く触れられていないが、翻って現代の世界情勢を考えるとそこかしこに、Pride and Prejudiceが満ち溢れているのではないかと思う。それもかなり醜悪な形で・・・