回顧と展望

思いついたことや趣味の写真などを備忘録風に

ソチ冬季五輪、雪不足対策は

2013年03月26日 15時53分23秒 | 日記

2014年の冬季五輪が開催されるソチで最も心配なのは、施設建設の遅れや、観客輸送の鉄道工事の遅れ、ホテルの整備、スタンドが埋まるかという集客、のいずれでもない。一番心配なのは、競技が開催できる気候になるか、という事である。年中花咲き乱れる黒海に近いソチの気候は、これまでの開催地と違い、年によって天候が極端に異なる。そして市の中心部から1時間半の距離にあるスキー競技のひらかれる山間部の気候はこれまでの気象データも乏しく、極めて予測し難いという。事実、最近の数年でもワールドカップスキーなどが幾度も雪不足(雪なし)あるいは大雪・濃霧などのために中止になっている。

今回の五輪ではワールドカップ等とは異なり、そう簡単に延期や中止と言うわけにはいかない。そのため、最悪の事態である雪不足を想定して、現在、まるでジェットエンジンのような形をした400機の造雪機がフル稼働して、50万立方メートルの雪をつくり、それを来年まで保管して(夏に半分程度は溶けてしまうが)備えているという。もし、五輪開催時期に雪不足ということになれば、この雪の在庫を取り崩して競技場に敷設することになる。

ただ、何しろロシアのこと、この雪不足対策や気象予報がどの程度奏功するかわからない。競技を見るというなら安全策として、市内に建設される予定のスタジアムで開催されるフィギュアスケートやカーリング、ホッケーなど室内競技のチケットを手配しておくほうが賢明かもしれない。これらは、施設が完成すれば気象条件には左右されないから。

 

 

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シリア反政府勢力指導者辞任

2013年03月25日 14時01分32秒 | 日記

西側諸国はシリア反体制派を見殺しにしていると抗議して、反政府勢力連合の指導者Ahmed Moaz al-Khatibが辞任を申し出た。今後は反政府勢力連合に縛られずに独自に行動するという。それでなくても脆弱な反政府勢力が今また分裂の危機にある。

Khatibはこれまでにも辞任を表明したことがあり、今回の辞意表明もいつまでも武器の供与に応じない西側、特に米国に対する揺さぶりと思われるが、こういった自爆的なやり方では到底米国の理解は得られない。むしろ、せっかく英国、フランスが武器供与緩和に動いているのに水を差すことになるだろう。どちらかと言えば穏健派のKhatibが退けば、急進派が主導権を握ることは目に見えている。すでに反政府勢力は政府軍から奪った武器に加え、アルカイダのルートを通じて相当の重火器を保有しており、その使用もかなり攻撃的だ。こんな状態では、シリアに平和が来ることはないだろう。

ただし、英仏の武器提供緩和案は、シリア和平実現と言うより、自国の軍需産業の保護にあるのではないかと思われても仕方のないところだ。

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ボリス・ベレゾフスキーの死

2013年03月24日 14時09分43秒 | 日記

自殺か他殺か、その答えは当分(あるいは永久に)出ないだろう。死亡報道の直後からモスクワから聞こえてくるのは、事業の失敗と家族問題(離婚)により将来に絶望した末の自殺というシナリオのみ。換言すれば、プーチン政権としては自殺で早期に記憶の彼方に押しやってしまいたい意図(プーチンにとって天敵であった彼の死を聞けば誰でもロシアの謀殺を疑う)が透けている。たしかに、同じく英国への亡命者でかつてパートナーだったアビラモビッチとの巨額訴訟に敗訴して手元の骨董品まで換金していたという事だから絶望説はもっともらしく聞こえる。

一方、イギリス政府としては自殺よりも他殺(謀殺)のほうが都合が良いのだろうかという事だが、最近のロシアの横暴ぶりには、イギリスとしてもいつまでも目をつむり続けるわけにはいかず、ここは徹底的に調査するのではないか。そして、首尾よく何らかの対ロシア交渉上の手札(ロシアエージェント関与の物証など)を手にすることが出来れば儲けものである。いずれにせよ、これまでのこの種謀殺事件と同様、真相は闇から闇へ葬られることになる。

エリツインに取り入って政権中枢に潜り込み、死にゆくエリツイン後継としてプーチンを押したのだが、結局、プーチンの「虎の尾」を踏んでしまったのは、ベレゾフスキーの痛恨のミス。KGB出身者がエリツインの後釜として相応しいと読んだまではよかったが、やはりすこしKGBを見くびっていたようだ。それが文字通り墓穴を掘った。

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キプロス/観光旅行?

2013年03月23日 11時12分17秒 | 日記

キプロスはイギリス人にとって手ごろな観光旅行先で毎年100万人のイギリス人がキプロスで休暇を過ごし、特にイースターの時期がもっとも人気がある。しかし、今年はすこし様子が違っているようだ。イギリス外務省はHPでキプロスで休暇を過ごそうとするイギリス人に対して、滞在期間の費用を賄えるに十分なユーロ紙幣(現金)の持参と、治安悪化にともなう強盗に十分警戒するよう呼びかけている。銀行が閉鎖されているような国で休暇を過ごそうというのはいささか酔狂であるが、イギリス人はなぜか変なところで勇気がある人種なのでこのようなアドバイスが必要なようだ。ただ、欧州のTV報道を見ていると首都ニコシアの中心街は人通りもなく、結局、直前になって旅行をキャンセルしているイギリス人も多いのではないかと思われる。

銀行救済に関しては、先般キプロス国会で否決された銀行預金課税の代替案を来週月曜までに出さなければいけない。銀行の資産分割(バッドバンク設立)や教会からの寄付による基金設立などの案があるようだが、限られた時間の中で本当に信頼に足りる代替案ができるのか疑わしい。特にドイツでは、預金課税以外で実効性のある債務削減ができるのか、疑いの目を向けている(少なくとも経済的には至極当然な疑念)。なお、新しい案では、10万ユーロ超の預金者には10%の税金、破たんが予想されている最悪の銀行の預金の場合最大40%の切り捨てがあるようだ。全預金の30%を占めているロシア新興財閥・富豪の反発やいかに。

http://www.fco.gov.uk/en/travel-and-living-abroad/travel-advice-by-country/europe/cyprus

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オバマの憂鬱

2013年03月22日 13時55分15秒 | 日記

つむじ風のようなオバマの中東訪問だったが、中東和平前進については今回も、これといった成果を出せずに終わってしまった。そして、今回のオバマのイスラエル訪問は、イスラエルによるイラン核施設への先制攻撃阻止がその最大の目的だったが、果たしてネタニエフ首相を思いとどまらせることが出来たのか心もとない。イラン核問題と比較すれば、ラマラでアッバスとの会談は刺身のつま、あるいは目くらましみたいなもので、最初から何かの成果を意図したものではなかった。

アメリカ国内の強力なイラン(現在のイラン政府を支持するものではない)ロビーを考えれば、イスラエルによるイラン空爆は何としても避けたいところだ。シリアに対するアメリカの腰の引けた対応をみてもこのことは明らかである。アメリカとしては、いずれはイスラエルによるイラン空爆は避けられないとみているが、そのタイミングと口実とを確保しておきたいというところだろう。いずれにせよ、いったん手に入りそうになった核兵器を手放す国は古今東西どこにもいないから、イランが外交交渉によって核開発を断念することはない。

オバマがいくらイスラエル国民に話しかけても彼に対する信認は回復せず、言葉の空虚さがいやでも目立ってしまう。大統領二期目で外交面での成功を収めることは思いのほか難しそうだ。演説で夢を振りまくことはできても、その夢を実現することは比較にならないくらい困難だ。まして中東においては。

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