缶詰blog

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缶詰のある風景『哀愁の町に霧が降るのだ』 

2005-03-03 22:35:20 | 連載もの 缶詰のある風景
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 そこでゆうべの残りのめしに沢野がパチンコで取ってきたビン詰めの海苔とウニをペタペタとつけてともかく空腹感をのがれた。~中略~夕方六時ごろ戻ると椎名と沢野が本を読んでいたので
「てめえら本など読んでいないでめしでも作れ」と言うと
「とうちゃん、めしならもう炊いてあるよ」と言った。
 しかしおかずがないのでまた海苔とウニでめしを食った。
 椎名誠『哀愁の町に霧が降るのだ』 新潮文庫

 我が缶詰ブログに、とうとう高貴なお生まれの瓶詰めさんがいらした。ウニの本場、長崎は壱岐からおいでいただいた『粒うに瓶詰め』である。こんな高級品を食するのは一体何年ぶりか知らん(実はいつものスーパーの特価品である)。
 昔からウニは高級食材のはずなのだが、何故かこのウニの瓶詰めは子供の頃のほうが身近だったように思う。ひょっとして昔は、非常に安価なエセ商品があったのかもしれない。「生ウニ不使用」などといった、常軌を逸した商品があったのかも知れない(そんな馬鹿な)。
 さて、この作品はエッセイストの椎名誠氏が書いた傑作お笑い青春自伝である。ビンボー学生が六畳一間に何人も集まり共同生活をしていくのだが、おかずは何を作ったとか、金のないときにいかにして酒を飲んだとか、そんな飲み食いの様子がとても面白いのだ。

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 かくのごとし。独特のアルコール臭が実に良ひ良ひ。これは生のウニとは全く違った食べ物ではあるのだが、しかし“我が輩は瓶詰めウニであるなーにか?”とでも問いかけてくるような、確固たるアイデンティティを持っていらっしゃるのだ。
 最近巷で流行の「熱々の白飯に最も合う食材は何か?」に対する回答として、この瓶詰めウニさんも堂々のエントリーをさせていただきたいと思う。

内容量:60g
原材料名:塩うに、エチルアルコール、調味料(アミノ酸等)、安定剤(グァー)、甘味料(ステビア、甘草)、カゼインNa(原材料の一部に乳、大豆を含む)
原産国:日本