「~ウェンディは料理はうまかったかね?」
「ウェンディが? いや、私の知るかぎりではそういうことはないな。もっとも大学にいるときに料理に興味を持ったかもしれないが(中略)。家に一緒に住んでいるときは、あの子は、ピーナッツ・バターとジャムのサンドウィッチ以上に手の込んだものは、つくった試しがないよ。でもなぜ?」
「いや、別に」
ローレンス・ブロック『過去からの弔鐘』訳/田口俊樹 二見書房
寒くなってくると、暗めのトーンのミステリーなどが読みたくなるものだ。これは80年代のニューヨークを舞台にした探偵もの。
我々日本人が思い浮かべる80年代は、明るく輝いていた時代だ。しかし当時の米国は、不景気の真っ只中であった。ニューヨークの都市部も、今では想像出来ないほどに犯罪発生率が高かった。
さて、欧米ではパンに何かを塗りつけただけの極めて簡略なサンドウィッチ(と呼べるのだろうか)を食事に当てることが多いらしい。今回の瓶詰めさん『ヌテッラ』も、そんな塗りものの一つである。
かくのごとし。チョコレートクリーム・ヘーゼルナッツ入りというシロモノだ。こんなものを食べるのは実に久しぶりである。期待を込めてがぶっと一口...。
(-_-)
甘いよ甘いよ甘すぎる。喉が痛くなるほど甘いではないか。おまけにべたべたしてるから、なかなか喉を通らない。
この瓶詰めさんは、長らくイタリアで暮らしていた友人から教えてもらったものなのだが、イタリア(フィレンツェ)ではこうしてヌテッラを塗りたくったパンを朝食とする家庭が多いらしいのだ。スーパーに行くと、この大瓶がどーんと並んでいるというのである。
一寸考えてから、ヌテッラの塗布量を減らしてバターを重ねてみた。するとべたべたが緩和されて、ずいぶん食べやすくなった。お味のほうもぐっとランクアップである。甘さを控えようとして、単純にヌテッラを少量塗っただけでは、何だかビンボーくさいものになる。
ちなみにラベルには
「温めた牛乳に溶かしてチョコレートドリンクとして~」
とあった。これからの季節、そっちのほうがありがたいようだ。
内容量:400g
原材料名:砂糖、植物油脂(ピーナッツ油)、ヘーゼルナッツ、脱脂粉乳、ココア、乳化剤(大豆由来)、バニラ香料
原産国:オーストラリア(え?)