これは岩缶さん(岩手缶詰)の、イカスミごと入ったイカの丸煮缶である。
丸大豆しょうゆと砂糖を用いた、純和風の味付けに仕上がっている。
しかし筆者は、この缶詰を眺めているうちに豁然と悟った。
「これでパエリアを作ったら、存外美味いに違いない」
しかもそれはイカスミのパエリアになるはずである。
このような発想を、なぜ今まで持たなかったのだろう。
筆者は欣喜として台所に入った。
オリーブオイルでニンニク、干し肉、ほたて、マッシュルームを炒める。
本日は家で仕事なので、陽の光で撮影できるのがすごく嬉しい。
いったんほたてを取り出し、米を炒める。
本場スペインの作り方は、具材を炒めた後スープを注ぎ、煮立ったところで生米を投入、煮て仕上げるという段取りだ。
しかし日本の米だと、煮ているうちにねばりが出てくる。
よって、試行錯誤の末、筆者は米を油で炒める方法を思いついたのである。
もっとも、これより美味しく作れる方法があれば、そっちを試してみたいものだ。
料理好きの読者諸賢よ、意見を求む!
さて。
ここまで書いてきて、陽が暮れてきた。
ちょいと失敬して、一杯やろうかと思う。
とっぷりと陽も暮れたところで、パエリア作りを再開。
缶の調味液を投入したところ、少々不安が生じた。
イカスミが思ったより黒くないのである。
お湯も適量加え、煮立てることおよそ15分。
取りあえずは完成である。
かくのごとし。
投入したサフランの色が出たこともあり、結局は普通のパエリアに近い色合いに仕上がった。
では、一口...。
やっ、甘みが強い。しかし、しょうゆとオリーブオイルが良く合っているし、焦げ目も香ばしく、なかなかに美味い。
和風パエリア、こういって間違いない味なのである。
ビールの酔いも加わり、本日は日西関係の新たな幕開けを見た思いであった。
合掌。
追:この缶詰は缶界の番人、のっぽさんの提供によるものであった。拝
固形量:180g
総内容量:420g
原材料名:いか、しょうゆ、砂糖、クエン酸、調味料(アミノ酸等)
原産国:日本(岩手缶詰)