ほのぼの癒し系デザイン。校歌の歌詞も書かれている
年の瀬であります。
師走であります。
「年末年始を挟む関係で、原稿の締め切りが通常と違ってきます」
などという連絡が入ってくる。
「年賀状のリストはどこ?」
家人が問いかける。
「大掃除は終わりましたか」
テレビからも諸事を催促される。
よせばいいのに、毎日わざわざ日付を確認しては
(もうすぐ年が暮れるゾ)
確認している。
まったく慌ただしい月であります。
そんなときに最適なのが、ほのぼの系缶詰の代表・ぶりだいこん。
「何が最適なの? 意味わかんねーし」
などと突っ込まないで欲しい。
あくまでも雰囲気で申し上げてるのであります。雰囲気!
開缶!
大きく切り割った大根と、同じ大きさに揃えたブリの切り身が、風車のように美しく配置されている。
そこから、醤油の利いたノスタルジックな匂いが立ち昇ってくる。
缶に表記してある通り、これは宇和島水産高校で作られたものだ。
各地の水産高校では、授業の一部として、生徒たちが缶詰を作っている学校がある。それらは催事や、地元の道の駅などで発売され、一般の人も買うことが出来るのであります。
中身を深皿に移して、電子レンジで1分、加熱してみた。
かくのごとし。
実は温める前に、どうにも待ちきれなくて、ひと切れのブリを食べてしまった。
冬の低い気温の中でも、ブリは歯の間で柔らかく崩れた。脂が充分に乗っているのだ。
しかも、香りがいい。血合いの多い部分を食べたのに、臭みは皆無。
「ではでは... 」
温めたブリをあらためて、ひと口。
やっ。常温よりもやや固くなっている。加熱しすぎたかも知れない。
電子レンジの加熱は難しい。均一に温まらないし、火加減がよく分からない。
とはいえ、このブリは素晴らしくウマい。きっといい原料を使っているのだと思う。
ブリのうま味が染みた大根もまた、たまらない。
それにしても...。
この缶詰は高校生が作っているのだ。
その作業中には、きっと
(いろんなドラマがあったろうなー)
推測してしまう。
ブリを逞しく切り分ける男子を、熱い眼差しで見守る女子も、いたかも知れぬ。
女子の家庭的な一面を見せられ、思わず恋に落ちた男子も、いたかも知れぬ。
ああ、若いって、いいなぁ。
固形量:120g
内容総量:170g
原材料名:ブリ、大根、しょうゆ、砂糖、水あめ、みりん
原産国:日本(愛媛県宇和島市・宇和島水産高校水産食品科 )