缶詰blog

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『缶詰の現場から』ホテイフーズコーポレーション

2010-02-27 15:15:36 | 取材もの 缶詰の現場から

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缶詰ブログ独占スクープ! 左の2つがホテイの新商品だ
(3月発売予定。詳細は本文を参照のこと)

 今回の『缶詰の現場から』は、静岡市に本社を置くホテイフーズコーポレーションであります。
 ホテイフーズといえば焼き鳥缶が代名詞。読者諸賢も、きっと昔から馴染みのある商品だと思う。
 しかしここで一寸、思案していただきたいのだ。
 焼き鳥というもの、本来は串に刺さっていて、その焼きたてを店で頬張るもの。
 それが串なし状態で、しかも缶に詰めちゃってる。
 何と大胆な発想だろう。
 この既成概念をひっくり返した焼き鳥缶は、昭和8年に創業したホテイフーズ(創業時は三共商会という名称だった)が、昭和45年12月に発売を開始したもの。もちろん、日本で初めての商品でありました。




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これがホテイフーズの本社



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本社近くにある蒲原工場。その昔の東海道・蒲原宿にあるのだ

 それでは早速、焼き鳥缶の出来上がる様子を見てみよう。
 応対してくださったのは取締役・販売部長の若山俊一氏と、販売部・販売企画課リーダーの高木剛彦氏。
 工場内では工場長の澤野好宏氏に案内をしていただいた。



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 まず赤外線コンロで火を通した後、こうして本物の炭を使って仕上げる。
 真っ赤に焼けた炭に脂が滴り落ち、それがたまらなく香ばしい煙となって肉にまとわりついていく。
 この行程、まさしく“焼き鳥”であります。
 この専用の焙焼炉は、約3年を掛けて開発したもの。このように缶詰企業で使われる機械は、メーカーと共同で開発したオリジナルのものが多いんですぞ。



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 使用される鶏肉は、開発当初からずっと国産鶏のみ。モモ肉と胸肉を半分ずつ使う。
 焼き上がった肉をこのカッターで1口大にカットし、金属探知機を通して次の行程へ。



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1缶ずつの分量にして缶に入れ...



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更にウエイトチェッカーで計量して微調整を行う
このように缶詰はたくさんの人の手が関わって出来るのだ
この後は調味液(タレ)を注入していく



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これは真空巻締機。減圧と巻締(蓋を閉じる)を行うんです
巻締の後はX線検査機で巻締具合をチェックする



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外側もきれいに洗浄して...



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専用のカゴに積んで、レトルト殺菌釜へ投入
ここで缶ごと加熱殺菌するから、缶詰は無菌状態になるのだ!



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加熱後は冷却水が入れられる
これはその水を抜いているところ



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缶の内圧をチェックし、規定外のものは除外される
缶蓋に賞味期限と工場名をインクジェットで印字するが、
印字内容もコンピューターでチェックされるのだぞ



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最後に再びX線検査機で異物混入がないかチェック
こうして幾重にも品質チェックが行われてるんですなァ

 このように作られるホテイフーズの焼き鳥缶は、現在たれ味、塩味、たれ味辛口、ガーリックペッパー味、カレー味和風の5種類。この順番は、売上の多い順であります。
 このラインナップに、3月から新たな味付けが加わる。それが冒頭の画像にある手羽元たれ味と、柚子こしょう味なのだ。
 手羽元たれ味は何と、手羽元を骨付きのまま使っている。一度油で揚げて旨味を閉じこめてから、ピリ辛タレで仕上げている。



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 これがその中身。ゴロッと3本、手羽元が缶詰から出てくる様はかなりインパクトがある。
 頬張ってみると、肉は鶏独特の歯応えを残しつつ、うっとりと柔らかい。身が骨からきれいにはがれるのが快感であります。
「骨付きでの缶詰化は恐らく当社が初めてのはず」
 と、販売企画課リーダーの高木氏がおっしゃる。
 もともと焼き鳥缶が日本初だったのに、今回またまたお初商品を開発したのだ。
 ついでに言えば、この焼き鳥缶シリーズのパッケージにはおおば比呂司氏のマンガが描かれている。通常の缶詰は写真かイラストが使われているのだから、このマンガを使ったパッケージデザインも実は日本初だったのだ。
 お初をいくつも誕生させるホテイフーズ。恐るべし手腕である。



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 これが柚子こしょう味。従来の塩味をベースにしながら、そのあっさりした風味を生かしつつ柚子を利かせるのに苦心し、開発には約1年を掛けたという。
 柚子の素晴らしい芳香のあとでピリッとした辛さがやってきて、酒のアテにはたまらない味付け。柚子も唐辛子も国産というこだわりだ。
 ひそかにヒットの予感であります。



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このコマーシャル、憶えてますか?

 ホテイフーズの焼き鳥缶は、今年で発売40周年となる。
 まさに「企業に歴史あり」と言わねばならない。
 同社では手羽元たれ味・柚子こしょう味のほかにも、40周年記念として『揚げさんま』缶や、輪切り玉ねぎが丸ごと入った『ドレッシングツナ』缶など、新商品を10数種投入していく計画だという。
 老舗のナショナルブランドでありながら、果敢にお初商品に臨んでいくホテイフーズ。あっぱれな缶詰企業でありました。




 この記事は『缶詰が好きです』の“ほていの焼き鳥・柚子胡椒”にトラックバーック!!


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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ムムウ・・・・・なんとテバモトさんですか? (G3)
2010-02-27 17:17:14
これは愉しみですね~・・・3本入りで幾ら位になるのかな?
いまからワクワクしますね!
ユズ・・・・こちらも愉しみであります。
それに・・・この缶の色・・・・緑じゃないですか!
あ~これで念願のほていの焼き鳥でオリンピックマークの五大陸マークが作れますね~
http://navy.ap.teacup.com/applet/yanagiyatomochin/147/trackback
↑こんなカンジで(^^

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手羽缶、見るからに美味しそうです! (NAKAGO)
2010-02-27 17:37:09
是非とも食して見たいです!

後、ホテイフーズさんの名前を聞くと「焼鳥ならホテイ~♪」のフレーズが流れるCMを思い出します。

昔、小学生の頃、夕方のアニメを見ていると頻度は高くありませんが、流れていたのを思い出します。(懐かしいなぁ…。)
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G3どの (はやと)
2010-02-27 17:55:48
手羽元缶は、内容総量290gで希望小売価格が420円の予定です。
そうそう、あのG3どのの過去記事にあった五輪は見事でした! 折しも今は五輪の真っ最中。
ちなみに柚子こしょう味は160円の予定です。

NAKAGOどの
ウマかったですよ。温めても、冷えたままでも、どちらもよし。
>夕方のアニメを見ていると頻度は高くありませんが、>流れていたのを思い出します。
素晴らしい記憶力。実はタツノコプロのアニメのスポンサーだったらしいです。
だから僕も憶えているんだなー。ヤッターヤッター、ヤッターマーン♪
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おお!ワシは柚子胡椒に興味があります。 (こば)
2010-02-27 22:17:02
本当に炭火で焼かれているんですね。(ちょっぴり疑っていました 笑)
自らの脂がしたたり、煙で燻されて肉に薫香がまとわり付くんですよね。

手羽もインパクトありますね~@@
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後から調味液を!ってことは「付け焼き」はされて... (kimamaねこ)
2010-02-27 22:18:31
だってあれだけの水にさらされもみくちゃにされたら美味しいとこは流れちゃってるカンジだったので。 でも、桃などは煮てますよね?
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こばどの (はやと)
2010-02-27 23:09:43
そうなんです。炭火焼きに偽りはなかったのです。
手羽元にはびっくりでありました。


kimamaねこどの
おっしゃる通り、付け焼きはしてなかったです。
みかんの工場のVTRは僕も見ました! かなりの水流なんですねェ。みかんの薄皮は意外と丈夫なのかな。自分の目で取材して確かめたい。
桃の皮は湯むき、もしくは薬品でむいてます。そのあとみかんと同じように、缶詰にしてから殺菌のために加熱です。
果物はpH値が低いので、肉や魚よりも低温で殺菌が出来るようですぞ。
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おぉ! (のっぽさん)
2010-03-02 21:17:50
相変わらず精力的な活動をつづけておられますな

ホテイの焼き鳥CMは上記の歌と、もうひとつ、
♪ ホテイのホテイの焼き~とり ♪という
ちょっとテンポの早いのもありましたよ

はやと殿、そろそろ日本海缶詰工場ツアーに
行きませんか?
返信する
のっぽどの (はやと)
2010-03-03 08:44:33
♪ ホテイのホテイの焼き~とり ♪
へぇ、そんなのもあったんですね。YouTubeで検索してみようかな。

日本海缶詰ツアー、ぜひ行きましょう。行かせてくだされ。
返信する
こちらの記事にリンクさせていただきました。 (G3)
2010-04-25 14:41:24
あと、缶詰案内のほていの焼き鳥からもリンクさせていただきました。
http://navy.ap.teacup.com/applet/yanagiyatomochin/360/41377274/trackback

http://www.geocities.jp/yanagiyatomochin/newpage105.html
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G3どの (はやと)
2010-04-25 14:57:40
ありがとうござります。トラックバックしておきますー!
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