缶詰blog

世界中の缶詰を食べまくるぞ!

缶詰のある風景『シャドー81』

2004-11-05 00:18:58 | 連載もの 缶詰のある風景
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 グラントはハムの缶詰をあけ、薄くくさびの形に切って、メルバ・トーストの間に挟むと、この“美味なるオードヴル”にがぶりと食らいついた。
「おい、ハドレー?~シャドー81だ」
「こちらPGA81~どうぞ」
「機内の様子はどうだね? 乗客はおとなしくしているかな?」
 ルシアン・ネイハム『シャドー81』訳/中野圭二 新潮文庫

 これは75年に発表された、一寸変わったハイジャックの小説である。読後にスカッとすること間違いなしの傑作なのだ。ミステリーとか冒険小説が好きな御仁は、ぜひ読んでみることをオススメする。
 さて、我がグラントは大変窮屈な状態でいる。これからジェット戦闘機の操縦席で食事を摂るところなのだ。操縦しながらの食事だから、こんな簡便なメニューなのである。
 メルバ・トーストはスーパーマーケットで購入することが出来た。しかしハムの缶詰というのが何だか不明である。
 方々を回ってみたが、輸入物のハムの缶詰というとSPAMかTULIP、あるいは三角型の大きなやつ(名前忘れた)ばかりだ。このうちSPAMは以前ご紹介したので却下、三角型は約500gもの容量なのでこれも却下した(物語上そんな大きいのを持ち込むはずない)。
 残ったのはTULIPのポーク・ランチョンミートだ。
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 かくのごとし。
 上記引用文に“美味なるオードヴル”とあるが、これは言うまでもなく揶揄である。それでもこうして小説の中に缶詰さんのシーンが出てくると美味そうに思えるから不思議だ。
 メルバは乾燥したカリカリトーストで、ほんのりと自然な甘みがある。ランチョンミートは塩分が多めでSPAMよりは脂肪がずっと少ない。
 お味の方は...みなさんのご想像にお任せするとしよう~こちらシャドー81。

内容量:200g
原材料名:豚肉、ポテトスターチ、乳タンパク質、食塩、香辛料、ポリリン酸Na、酸化防止剤(アスコルビン酸Na)、発色剤(亜硝酸Na)
原産国:デンマーク



 


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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
えーと、メルバ・トーストって何ですかぁ。 (kiyomina)
2004-11-05 18:21:08
写真見ても味の想像がつかないんだけど。
私だけ知らない?
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kiyominaさん (ハヤト)
2004-11-05 19:13:14
こいつはありふれたものではないのです。僕がどこかで聞いて知ってただけ。誤解を与えてスマンスマン。
食パンを焦がさずにカリカリに焼いたような感じで、塩っ気が全くないみたい。ほんのり甘いんですな。まあよほど腹が減ってなければ食いたくないシロモノでした。
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楽しい文体に微笑んでいたのですが、最後の「みな... (Jun)
2004-11-05 20:51:34
う~ん、なんとなく想像がつきます(笑)。
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Junさん (ハヤト)
2004-11-05 23:08:19
笑ってもらえたですか。 
ここはグルメブログではないから「不味かった!」なんて書かないのだ。
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こんにちは。 (nao)
2004-11-06 16:56:35
・・・・・・・こりゃ、おやつだな。
日本人は、やっぱ米!こんなんじゃ、お腹いっぱいにゃならんぞなもし!
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naoちゃん (ハヤト)
2004-11-06 22:51:15
こんにちは。
ホントにスナックでしたよう。米よこせ~ぞなもし。
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高校時代に出会った超愛読書を、最近久々に読み直して (ひふみー)
2009-06-02 02:53:20
今日読了し「そういえば今の時代はネット検索という
便利なものがあったな」と思い出して
“シャドー81”でググってこちらにお邪魔しました

最初に読んで以来、30年間想像するだけだった
「グラント氏の美味なるオードブル」の実物の画像を
この眼で確かめることが出来て
感激いたしました

味の方は・・・・こちらは尚“想像するだけ”に留めて
置いた方が良さそうですね(笑)
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ひふみーどの (はやと)
2009-06-02 08:50:21
超愛読していたのですね。
僕も2年に1回くらいの割合で読んでます。

長年のご想像を具現化してしまった無粋をお許しください。
肝心のお味のほうはですね、それがまた...
いや、無粋を重ねてはいけませんな。
ぜひまたおいでください。
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