ふらふらと、吸い寄せられるようにサラリーマンが集まってくるのが、JR新橋駅の烏森口にある『ニュー新橋ビル』。
1月も半ばの木曜の夜。筆者はそわそわしながらこのビルに向かった。
このそわそわはもちろん、悪い性質のものではない。
(これから呑みだ。嬉しいなァー!)
というそわそわである。
(まずは生だな。そのあとは焼酎ロックで攻めていくかな)
こういうワクワク感を伴ったそわそわなのだ。
しかもこの夜はただの呑み会ではない。地下1階にある『缶詰バー』で、数種類のサバ缶を食べまくるという企画付き呑み会なのであった。
入り口を入ってすぐに地下に向かう
地下には飲み屋が密集している
この時点で、あちこちの店から嬌声が聞こえてくる
「オレも早くわいわいやりたい」と心がハヤる
缶詰バーに行く前に、まずはこの『サバ缶を食べまくる会』に参加したサバ缶たちを紹介しよう。
キャプションは各サバ缶の特徴である。
味の加久の屋の『八戸沖秋さば』水煮
八戸沖で捕れた秋サバから“銀サバ”を厳選、生から使用
リリーコーポレーションの『旬海庵さば水煮』
(同シリーズ味付けタイプも参戦)
ノルウェー産の600g以上の大サバ(急速冷凍)を使用
千葉産直サービスの『とろさばみそ煮』(同水煮も参戦)
三陸沖近海のマサバ(400g以上)を手で選別し生で使用
高木商店の『ねぎ鯖塩だれ(水煮)』
(同醤油だれ、味噌だれも参戦)
銚子漁港で水揚げされた寒サバを厳選して使用(急速冷凍)
このほか『缶詰まにあくす』作者のsotomichiさんも数種のサバ缶を持って参戦してくれた。
その中身は“鯖へしこ油漬け”など、非常に珍しいサバ缶であった。いやが上にも期待は高まっていく。
さっ、これが今回の舞台となる『缶詰バー』。
8時を過ぎるとぎゅうぎゅうに混み合うことも珍しくない。
なぜかいつも美人店員がいるため、最近では
「缶詰バーじゃなくてガールズバーだよ」
なぞという常連客もいる。
そのわりには女性客もけっこう来るのが不思議である。
さっそく、各サバ缶をカウンターに並べていく
いよいよ食べまくり会のスタート
まずはリリーコーポレーションの旬海庵の水煮から。
「これはウマい。あのね、身が水っぽくないよね」40代男性。
「サバを塩焼きにしてよく食べてるけど、それと遜色ないみたい」20代女性。
筆者も脂の乗ったとこを食べて、生ビールをぐいっと流し込む。たまらないウマさだ。同味付けタイプ(醤油味)も
「味噌味かと思うくらい、味付けがしっかりしてる」(30代男性)。
次は高木商店のねぎ鯖。
「普通におかずになる美味しさ。ちょっとした皿に盛りつけたら、缶詰だとは思わないよね」20代女性。
「ねぎの風味がしてて、身が柔らかい。これ、単純にサバ缶とは言えないんじゃない?」20代女性。
「こうなるとれっきとした一品料理」40代男性。
続けて千葉産直サービスの『とろさば水煮』。
「いわゆるサバの水煮という味。味が薄いかな?」20代女性。
「身が締まっている。血合いの風味もあって、いかにも日本のサバという感じ」40代男性。
同みそ煮のほうは
「味噌が甘い。八丁味噌かと思った(実際は麦味噌使用)。これ、ウイスキーに合うねぇ」白角水割りを飲んでいた40代男性。
「缶詰という感じがしないわ。汁ごとご飯にかけて、がーっと食べたくなっちゃう」20代女性。
ところで、最初はすべて常温のママ食べていたのだが、店内の電子レンジで温めると、どの缶詰も俄然美味しくなった。実家が魚屋だったという40代男性によると
「温めると脂がまんべんなくまわる」
とのこと。確かに、身に入った脂(皮と身の間だけでなく、身の中に脂が入った個体は上質とされる)が溶けて、風味がぐっと良くなるのだ。
ここで特別参加したのが、川商フーズの『GEISHA』のサバ缶・トマトソース漬け。主にアフリカ、中近東向けに作られる海外専用の缶詰だ。
「身が淡泊。あっさり食べられていい」20代女性。
「これをパスタにかけたら最高」40代男性。
などの評価が上がった。
しかし頭と尾を落としただけのサバ(切り身ではないのだ)がぬらりと缶から出てくるさまには
「ひぃ。やっぱり海外向けなんだねー。日本人には厳しい」と20代女性。
そして最後は味の加久の屋の『八戸沖秋さば水煮』
「脂がのってる。相当、トロトロだ」20代男性。
「背側も柔らかい。箸で切った感触が違う」30代男性。
「そうかな? 俺は背のほうは締まって感じる」40代男性。
言うまでもないことだが、味覚は人によってまったく違う。脂ののった柔らかいサバよりも、身の締まったサバを好む人もいるのである。
それぞれの好みをワイワイ話しながら、酒はずんずん進んでいく。そこがこの企画の一番面白いところなのである。
この企画は今回で2回目となる。
記念すべき第1回はくじら缶を食べまくったのだ(その記事はこちら)。
次回の企画も、呑みながら早速に決まってしまった。それは元祖肉食系缶詰・コンビーフ缶を食べまくるというものだ。
誰でも参加できる会なので、興味のある読者諸賢はぜひ来ていただきたいと思う。開催日時が決まり次第、当ブログやTwitterでお知らせしようと思う。
最後になったが、商品を快く提供してくださった各企業の担当者さんに、深く感謝を申し上げます。
こうしたご協力が得られてこそ、当ブログの様々な企画が可能になってくるんであります。
読者諸賢よ、今年も魅力ある缶詰をどんどん食べていこうではないか!
でも、お酒が呑めないのですが、大丈夫でしょうか…。
しかし、読んでいたら、鯖缶食べたくなりました…。
サバ缶はいつ食べてもウマイです。しかも種類が豊富。自分好みのサバ缶を見つけるってぇのも、楽しみのひとつですね。