ニックは空腹だった。こんなに空腹になったのは今まで経験したことがなかったほどだ。彼はポークアンドビーンズとスパゲッティの缶詰を開け、中身をすっかりフライパンに投入した。「誰に頼まれたわけでもなく運んできたんだから、僕にはこいつらを食べる資格があるんだ」ニックは独り言を言った。その声は暗くしずもっていく木々のあいだで奇妙に聞こえた。彼は再び口を開くことはなかった。
~中略~ニックは火の上に掛けたグリルにフライパンを乗せた。彼はますます空腹だった。豆とスパゲッティが温まった。ニックはそれらをかき回し、よく混ぜた。小さな泡つぶが表面に浮かんできた。そこからたまらない匂いがした。ニックはケチャップの瓶を取り出しておいて、パンを4枚切った。小さな泡つぶは今やどんどん沸き上がってきていた。ニックは火の脇に座り、グリルからフライパンを下ろした。
アーネスト・ヘミングウェイ『二つのこころのある川』訳/ハヤト
我が缶詰さんたちは様々な作品に登場している。そして実に良い脇役をこなしているのだ。このニック・アダムズシリーズにもいくつかいいシーンがある。
この缶詰さんは赤羽橋近くのスーパーマーケットで発見したもの。FRANCO-AMERICAN®とあるがこれはあの缶詰大手企業キャンベルスープカンパニーのもの。さすがはキャンベルさん、探せばまだまだ面白いものが出てきそうである。
かくのごとし。ただし原文にあるポークアンドビーンズの方は割愛させていただいた。
これは缶詰であるから加熱調理の必要はない。少しでも美味く食するために熱するのである。そいつをアルミの皿にあけ(原文は錫だが)、スプーンで苦労しながらすくって食べる。う~むむ、味は予想通りのシロモノ。とにかく甘い。これまで経験した通り、米国産の缶詰さんは糖分が多すぎるようだ。
しかし今回は味がどうこう言うのはよそう。あくまでも現在の私はニック・アダムズであり、それは多くの批評家が指摘しているように、少年時代のヘミングウェイ自身なのである。だから突然独り言を言って、少し意味不明に落ち込んで、それから“なんてこった、これは美味いぞ!”と叫ばねばならぬ。ケチャップを振りかけてスライスしたパンとともにがっついて平らげるのだ。イマジンイマジン!
内容量:418g
原材料名:トマトピューレ、スパゲッティ(小麦粉、卵白)、異性化液糖、チーズ、食塩、ぶどう糖、香辛料、バター、脱脂乳、クエン酸
原産国:米国
アメリカ人って糖分大好きですよね~
結局、赤唐辛子を投入して食べました。
本当に食べたくなります。
スパゲッティの缶詰なんて・・・と思っていたにもかかわらず、これまたハヤトさんの記事を読んで食べてみたくなってしまいました♪
ドイツの缶詰さん瓶詰さんも興味あるのだ。なかなか売ってないのだけど、ね。
後程こちらにも貼らせていただきますね。
若い頃はきりっとしたハンサムですねっ。モテるのもうなずけるわい。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4102033211/qid=1099027254/sr=1-1/ref=sr_1_8_1/250-2237846-8602667
日記とか手紙がそのまんま載ってるので英語で原文を読めた方がどんなにいいだろうと思いますねー。
ところで、kchanってケイちゃんなのですか? そうするとkchanさんって変だな。
ぼくはアメリカで生まれ育ち、
このスパゲッティの缶詰には随分お世話になりました。
そして遂には食べてみたくなったのです。
赤羽橋近くのスーパーに売っているとのことですが、
スーパーの名前を詳しく教えてもらえないでしょうか?
よろしくお願いします。
赤羽橋近くのスーパーは、日進です。赤羽橋から麻布十番を経て、六本木トンネルに向かう道沿いにあるです。赤羽橋というよりも、十番に近いですね。
日進のホームページはこちら。
くたくたに茹であがった、いかにもアメリカンな味が良かったですねぇ(´▽`)ノ 他にも面白いものがあったら教えてください。