読者諸賢よ!
いよいよ、全国の缶詰企業を取材する新企画『缶詰の現場から』をお届けしたい。
記念すべき第1回は『ねぎ鯖』シリーズというプライベートブランド(PB)を生み出した(株)髙木商店さんであります。
さて、この冷たい金属に入った缶詰というやつ。
「工場でオートメーションで作られてるんだろう」
と思われがちだが、そうではない。
実は、皆さんの想像以上に人の手と眼が必要で、そういう意味では手作りに近いといえるのだ。
そんなところも、この新企画で皆さんに伝わればいいなと思うのであります。
この扉をくぐれば、いよいよ缶詰現場
銚子漁港・卸売市場まで車で10分という立地にある髙木商店の創業は昭和初期。当初は自前の船を所持し、漁業を営んでいた。
獲れた魚は市場に卸すだけでなく、自社で干物などの加工物生産も行っていたという。
昭和36年に缶詰生産設備を導入して、さば、いわし、さんまの缶詰生産を開始。
現在は缶詰生産部門、冷凍・冷蔵部門、サケのフィーレ製造などの水産物加工部門という3つの事業を営んでいるのであります。
銚子漁港近辺には4社の缶詰企業があるが、大規模な冷凍・冷蔵倉庫を持つのは髙木商店だけ。
その冷凍能力は日産230t、保管能力は12,000t。つまり、漁港にいい魚が揚がったら自前で保管しておけるわけで、他社から材料を仕入れる必要がないのだ。
これが髙木商店の最大の特徴なんであります。
この日はいわし缶を製造していた
手前の缶にいわしを手で詰めていく
取材に応じてくれたのは常務取締役の髙木貴史氏
いわしは缶を閉じる前に高温で一度蒸す
蒸し上がると余分な水分・タンパク質が出るので、
この過程で青魚特有の臭みも除去できるのだ
調味液注入であります
皆さん、奥の機械が缶を閉じる巻締機であります
同時に真空加工も行うのですよ
こうやって、巻いて締めるから巻締
そして圧力殺菌釜で加圧加熱処理をする
もう、マニアにはたまらんですなあ
段ボールに詰める前に、巻締が完全かチェックする
ここまでの行程でも金属探知機など安全措置が3カ所あった
更にX線装置と探知用コンピュータがある
魚で一番多い異物は釣り針なのだそうだ
機械と人の眼による4重5重の安全措置が取られている
さ、こちらがマイナス27℃の冷凍倉庫
倉庫の一角が『ねぎ鯖』専用のさば置き場
この大きさ、色艶。素晴らしい個体であります
現場を出ると、髙木氏と営業の豊島氏が試作品の試食会を開いてくださった。
写っているのは営業担当の豊島氏。
巨大なブリカマを丸ごと使った缶詰など、試作品には意欲作が多かった。
現在、髙木商店では『ごぼういわし』という新シリーズも発売されている。
このいわしも、やはり最高の個体を選び出して、大事に冷蔵しておくのだ。
「いい魚が揚がると、“これはPB缶詰用だ”といって仕舞いこむんです。どこまでもこだわって作りたいんですが、おかげで生産量が少なくて少なくて...」と、何でも率直に話してくださる髙木氏。
工場見学でも、従業員の皆さんは仕事の合間に目礼をしてくださった。そんな暖かさも印象に残った取材でありました。
次回の『缶詰の現場から』は岩手缶詰(株)さんの盛岡工場を取材予定であります。
大人になってからのほうが、感心することが多い気がする。
缶詰叩くやつ、僕も見ました! 何年かかかって聞き分けられるようになったとか、おっしゃってた。
どんな道にも、あのように突き詰めて到達したお方がいるんですね。すごいです。
缶詰にしてるからいつもおいしいんですよね。
個人的に、大人の社会見学に行きたいです。
何かの商品ができるまでとかとっても好きです。
「平成教育学院」の「工場見学」とかいつも見てます。
この前、違うテレビ番組で
缶詰を叩いた音でチェックする、と言うのを見ました。
素人じゃ分からない微妙な音の違いを聞き分けて
分別する職人技はすごかったです。
>発売されておられます
取材を通じて、よく伝わってきました。試作品の数々とその調味用のデータ表など、缶詰作りに意欲的なんですね。
はい、次は岩缶さんです。最近食べた岩缶さんの商品では、のっぽどのにいただいた『さんまハバネロ』が激ウマでした。
>18番発射口なんて、めっちゃでかい潜水艦ですね!!
要塞ですな。
高木商店様はまじめに努力なさって美味しい缶詰を
発売されておられます
これからの缶界の浮沈はこの様なたゆまぬ努力にかかっているのでしょうね
で、次回は岩手缶詰さんですか?
リリーとも縁の深い会社さんです
魚介缶、フルーツ缶と守備範囲もイチロー級です
素晴らしいレポート、期待大です!!
確かに魚雷装填口に見える圧力釜!
18番発射口なんて、めっちゃでかい潜水艦ですね!!
>ところで、圧力殺菌釜・・・魚雷の装填口みたいでカッコイイです!
そ、そういえば装填口に見えます。
最近宇宙戦艦ヤマトのDVDを買ったので、すごく共感できます。
缶詰は現場で作られているんですね~(^^)
この勢いで、お住まいのお近くのレンボーブリッジも封鎖しちゃってください!
次回も楽しみにしていますよ~!
ところで、圧力殺菌釜・・・魚雷の装填口みたいでカッコイイです!
こばどのも食品工場に縁があるのですね。
こういった裏側を知ると、普段眼にしている食品が本当にありがたく思えますよね。
偽装なんかする企業には、この愚直なまでの日々の業務をしっかと見届けてもらいたいですわ。
ワシも仕事で食品関係の工場に入ることが多いのですが、どこも衛生管理には気を使っていらっしゃいます。
白衣に着替えるのはもちろん、長靴、ヘアキャップ、エアシャワーの洗礼はどこでもあります。
こういった企業努力があって、われわれ消費者は安心して、しかも安く缶詰(食品)が食べられるのですね。
先年の食品業界の不祥事、まじめに努力しておられる企業にとっては大変迷惑なことだとおもいます。
今後も美味しくて、安心な製品の供給をお願いいたします。