閑寂肆独白

ひまでさびしい本屋のひとりごと

トンだことで有名に

2016-02-05 08:09:24 | 日記
 先だっての「寒波」で大牟田は全国版に知られてしまった。水道管の破損での漏水がひどくて市全域で一斉断水をし、自衛隊や海保の救援を頼み、しかもその全面回復に3日以上もかかるという大失態だった。周辺の市町村では多少の水道管破裂はあったが、配水池が空になるなんて聞いたことがない、という「事件」である。わが家は幸いに市の中心部であり全体から見れば低いところにあって、ちょろちょろながら切れることなく、また夕刻には回復した。 なぜこうなったか、という理由の大きなのは、空家野存在だそうである。誰も管理していないのでっ水道管が破裂しても止める人がいないし、それとわかっても様子が分からないし他人が勝手に手出しはできない、その数が半端ではなかったということだそうである。 もとより市内には千戸以上の空家があるという。当然水道代を払っているわけはないので元栓を閉めておく措置を水道局がやっておくべきだったというのだ。 要するにお役所の手抜き、怠慢が原因の「人災」だということが分かってしまった。損失した水道代は相当な金額になるだろうが誰が負担するのであろうか。 またこの事件の後始末にも面白い話を聞いた。当局の記者会見に於いて、市長は「災害対策本部」を設置しておればその責任者は市長だが、今回はそうしていないので水道企業局の管理者(水道局は市の外部団体になっている)の責任である、と発言したそうである。なんということか、部下の責任をかばうのが最高責任者の仕事だろうに。市長は市職員からの成り上がりである、市長候補だとわかったときこの人は「何をしてきた人か?実績は何?」と聞いても誰も答えられなかった。市役所の中で高学歴をバックにするすると成り上がった人でいわゆる「組織人」何でもそつなくこなすタイプで周りの経済・政治団体にとって使い勝手の良い人だとの評判であった。この会見の話を聞いて本当につまらないどうでもよい人だということを改めて思った次第。大牟田の行く末は暗い。  またしても「本」から離れてしまった。 変体仮名を何とかしなければと稽古用の本を買った。一からオサライしなおす所存。しかしながら、漢字に楷行草という区別があり、カタカナも有、ルビを振ることも知っておきながらなんでこのような読みずらいのを守り続けたのであろうか。版本はもとより、写本・手紙に至っては本当に読みずらい・よめない。しかもどうかすると当て字というのも少なくはない。個人的な・文学的な範囲であれば多少間違っても大事には至らないかもしれないが、経済・流通・政治という分野ではこれでまともに伝わるのか、と心配せざるを得ない「書き物」は実に多い。先に言ったように、楷書を知っており、活字もないわけではなかった、のに、である。物事を正確に伝える ということに思いが至らなかった「理由」はいったいなんだろう。と「なんでも疑問」のヒゲコガは悩みの種がまた増えるのです。  一方、日本中で江戸時代の書物・書き物を自在に読める人は2千人くらいだろうという中野三敏氏の指摘、危機感はよくわかります。英語はともかくも外国語を学ぶより先に日本の文化を理解するためにもっと「読める人」を増やさなければ、と・・・。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする